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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.75. He Is All Alone (ボサノヴァ講座・特別編その7)
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こんにちは。Hideです。


まずは前回のアンケートにご協力下さった方々、どうも有り難う。


言い忘れたが前々回のタイトルは、レイモン・ルフェーブル・オーケストラの曲
「ハロー・パシフィック」のパロディーだが、分かった方がどれだけいることやら...
(まあ年が分かるか)


おかげさんで、風邪がほとんど治った。そろそろウオーキングを再開しよう。
いつまでも病人をやってはいられない。


前回の補足をしておこう。

小泉首相の言葉の中に、「非武装中立」というのがあった。

しかし「非武装中立」というのは、国際法を知らない人の言葉だ。というのは、
武装なくして中立はありえないのだ。

何故なら中立国は、交戦当事国の軍隊に、自国の領土や領海等を通過させては
ならないからだ。軍隊を通過させないためには、軍隊が必要なのは当然だろう。
どうしてと言われても、それが戦時国際法なのだから仕方ない(「中立法」という
法律がある)。

だから「非武装中立」という言葉を使う人がいたら、その人は国際法を知らないと
思って間違いない。

まあこれも、以前紹介した「戦争は日本を放棄していない」」(奥宮正武著、PHP研究所)
という本の受け売りなのだが。この本は、本屋に聞くと絶版になっているとの事だ。
是非とも再販して欲しいものである。


本題に入る前に、医療行政ネタを一つやろう。

11月11日の朝日新聞の朝刊に、とんでもない事が載っていた。

何と財務省が10日、医療機関に対して公的医療保険から支払われる診療報酬について
、2年後との改定期を迎える ’04年度に、4〜5%程度引き下げるよう求める方針を
固めたというのである。

これがもし、実行に移されようものなら、日本中の医療機関が存亡の危機に
さらされるだろう。

昔いた病院で(K病院の事だ。僕のHP

http://www.helio-trope.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、Vol.48. 、Vol.49.Vol.51. あたりを
乞うご高覧。)、某私立大学の、外科の講師の先生が、当直のバイトに来ていた。

この人が学会で東京に行ったとき、厚生省の役人に会ったらしいのだが、この先生の
言うことには、彼らの考えている事は、「老人は定額制で、薬は少なめに使って
早く死ね」と、「200床くらいの中小病院はさっさとつぶれろ」だったとの事だ。
確かに、そういう感じはする。

後者はつまり、「大病院と開業医しか要らない」という事だろう。

ところが、その後の厚生省のやる事を見ていると、整形外科つぶしの再診療逓減制とかは
(整形外科はリハビリ等の回数で稼いでいる)、「整形外科については開業医も大病院も
要らないという事か、さては厚生省様も、いよいよご乱心かな」と思っていたら、
どうやら他の科も、開業医も大病院も要らないという事らしい。これはもうご乱心を通りこして、
狂い死に寸前だろう。

僕が一番怒っているのは、こういう日本中の医療機関を存亡の危機にさらしかねない
改悪を、よりによって総選挙の次の日に発表する、政府自民党のその余りにも露骨な
卑劣さだ。

まあ僕が前回書いた事が間違いでない事が、はからずも証明されたわけだが。

読者の皆さん、次の参院選までこの事を、どうかよく覚えておいて下さい。


さて不愉快な話はこのくらいにして、本題に入ろう。

パンフを読むのをやめて、時計を見た。針は5時を指していた。

ステージの上には、椅子とマイクスタンドが2本、そしてマイクが2本と
モニタースピーカーが、確か2つあるだけだった。

僕は僕のグループ・"Heliotrope" のリードギタリストの堀野慶次と、最近交わした会話を
思い出していた。彼はブラジル音楽を結構知っていて、カエターノ・ヴェルローゾの
「ヴォセ・エ・リンダ(日本語で言えば「うるわしの君」とでもなるだろうか)」という曲とかも
教えてくれた。

彼は言っていた。「ジョアンはバックミュージシャンは使うのか?」と。
僕はこう答えた。「いや、一人でやるだろう。彼はずっと、そうして来たのだから。」と。

その理由については、僕のつたない説明よりは、オスカー・カストロ・ネヴィスという
ミュージシャンの言葉を引用した方がいいだろう(以下引用)。

「ジョアンのヴォーカルとギターのバランスの精妙さについては話したよね。
あのデリケートなバランスをオーケストラと一緒にライヴで出来ると思うかい? 
まったく不可能だ。楽器が増えれば増えるほど適切なヴォリューム・バランスを
とらなきゃならない。オーケストラともなればとるべきバランスの数は天文学的数字に
なるよ。その上マイクやアンプや調整卓のことまで考えると、一人でのステージが
ベストだと思うけどね。」(引用終わり)


このあたりで次回。余り例によって進んでいないが、悪しからず。



最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想、ご質問等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとくどいようだが、このメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://www.helio-trope.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。