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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.56. 憲法第9条を改正しよう(その3)
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こんにちは。Hideです。


まずはcaptainUME さん、 前回のアンケートにご協力下さり、どうも有り難う。

>仰っている事は至極当然の事で気持ち良いですね。

とのメッセージもお寄せ頂いた。重ねて有難う。


明日は医師会のゴルフコンペだ。前々回、前回とそれぞれ、120台と110台で
来ているので、明日はせめて100台を出したいものである。

ゴルフといえば、25日は今度会員になる(会員権が余り高くない)コースの
入会テストだった。ハーフ50で回ったから、テクニックで落ちる事はないだろうが、
マナーで落ちるかも知れぬ。根が下品なもので。

そう言えば最後に、副支配人さんと一緒に風呂に入った。と言うか入らされた。
間違いなく入れ墨チェックだろう。

ゴルフ場でさえヤクザを締め出す時代なのだから、最高の倫理を持つべき国会議員が、
ヤクザと付き合いがあるなどもっての他だろう。M議員も、さっさとご勇退頂きたいものだ。

そう言えばニュースステーションで、K党議員のセクハラ事件について、M議員に
コメントを求めていたのには、思わず笑ってしまった。さすがに彼も、コメントするほど
恥知らずではなかったが。


さて病院だが、何と木曜と金曜だけ、午前診が3診から2診になってしまった
(正確には、7月からそうなるようだ)。

一昨日も「もう2時間も待ってるんやぞ!」みたいなご苦情をおっしゃる方が、
お二人ほどいらっしゃったのに(個人的には待つのがいやなら、そこらの
ヒマな開業の先生の所に行かれた方がいいとは思うが)、これ以上忙しくなったら
どうなるのか、非常に楽しみだ。暴動でも起こるのではないだろうか。

ただ木曜は、僕と副院長と非常勤の先生の3人でやっていたのだが、この非常勤の先生が
抜けるようで、この人は別の日にはまだ外来をやるようだから、この人の患者さんが、
その日に換ってくれる事を期待しているのだが。

ちなみに新しく内科の常勤医が入るようなので、その先生に木曜の午前診も
入ってもらって欲しいと副院長に頼むと、「もう決まった事だから仕方ない」と
あっさりはねつけられた。で、さらに僕の忙しい状況を訴えて食い下がると、
「お前の仕事量は昔の俺の半分や」みたいな「近頃の若いもんは...」風の事を
おっしゃるので、これ以上話すのは時間とエネルギーの無駄だと思い、
あきらめて引き下がった。

まああの病院に、普通を期待するのが間違っているのだろう。
冬の忙しい時期は果たしてどんな惨状になるのか、楽しみに待つとしよう。


さて本題。「憲法第9条を改正しよう」シリーズだ。

ただ前回言い忘れた事があった。総論の前に、まず序論が必要だった。それは、

「そもそもなぜ今の日本に、軍備は必要なのか」という事だ。

その答えは、「戦争は日本を放棄していない」(奥宮正武著、PHP研究所)
という本にある。著者は元海軍中佐で、航空自衛隊の元将軍だ。

この本の要旨は、大体こんな所だ(以下「引用」)。

日本は貿易立国である。という事は他の国から工業原料等を売ってもらったり、
製品を買ってもらったりしなければ、生存そのものがおぼつかない。

さて物を売ったり買ったりするには、その代金を払ってもらえたり、
製品を渡してもらえたりするのが確実である事が前提になる。

それではその代金や製品が、いつ侵略国家やテロ組織に奪われるか分からないような
状況だったらどうだろうか。

これは例えば、銀行が掘っ立て小屋で出来ていたら、そこにお金を預ける気に
なるだろうかと言いかえてもいい。まずそんな気にはならないはずだ。
いつドロボウが小屋を壊して、お金を持っていくか分かったものではない。

やはり銀行が立派で頑丈な建物で、ドロボウもなかなか入れそうにないからこそ、
お金を預ける気になるのだろう。それと同じ事だ。

だから現在、そして予測されうる将来において、日本にある程度の軍備は必要なのだ。

(「引用」終わり)

つまり外敵が侵入するかどうか以前の問題として、軍備はこの国の生存に必要なのだと
いう事を、僕はこの本で知った。


それでは各論に戻ろう。もう一度改正案を掲げておく。


第9条(国防省ならびに国防軍の設置と、自衛のための交戦権)

第1項:日本国はその領土、領海、経済水域とそれらの上空、ならびに必要に応じ
    その周辺において、自衛戦争を行う権利と、そのために準備を行う義務を有す。

第2項:前項の目的を達するため、日本国は国防軍を保有す。

第3項:国防軍の戦力は、自衛のための必要最小限度とす。

第4項:国防軍の監督と運営のため国防省を設置し、国防大臣をもってその長とす。

第5項:国防軍の最高指揮官は、内閣総理大臣とす。

(以上)


では、各項の解説の続きとしよう。

第3項:

この条文で、侵略はしないという決意は、さらに明確に示せるだろう。

そして現在のような、現状と憲法の条文の不一致によって、「日本は憲法を反古にして、
どんどん好き勝手な事をやる国だ」と思われなくてすむはずだ。

多分自衛隊が軍隊だと思っていない国は、地球上のどこにも存在しないだろう。
F−15やイージス艦を持っている集団が、軍隊でなくて一体何だと言うのだろうか。

ジャーナリストの杉山隆男さんによると、F−15を持っている国は、日本以外では
3カ国しかない。百戦錬磨のイスラエル、オイルマネーで潤うサウジアラビア、
そして自称世界の警察アメリカだ。

つまり少なくともハード面では、自衛隊は世界有数の軍隊と言える。


第4項:

これは前回も言った通り現状追認だが、しかし「庁」から「省」に格上げするのは
必要な事だろう。何せ自衛隊は、世界有数の軍隊なのだから。またこれも
前回も言った通り、自衛官の方々の士気を上げるためにも必要だろう。

軍部大臣現役武官制の復活防止については、憲法の他の条文に、国務大臣は
文民でなければならない旨書いてあるので、第9条に書く必要はなかろう
(と言うか、そもそも軍隊がないのに、一体どこに文民でない人がいるのか、
不思議でならぬのだが)。


第5項:

これも現状追認だが、シビリアン・コントロールは明記すべきだろう。

それとこれは憲法全体の欠陥なのだが、現行の憲法はおろか法律でも、総理大臣が
その職務を遂行できなくなった時、誰がその職務を代行するのかは定められていない。
これはゆゆしき問題である。

というのはもし総理大臣が急死すれば、その瞬間から自衛隊は最高指揮官を失う、
つまりにっちもさっちも動きが取れなくなるからだ。この間に外敵が侵略して来たり、
テロ組織が大量殺人を始めたら、一体どうなる事かと思うと背筋が寒くなる
(総理大臣が急死したり、テロ組織が大量殺人をした事は、実際過去にあった)。

ちなみに軍隊には、「軍令承行令」と言うものがある。

例えば戦艦の艦長が大佐で、他に中佐が二人乗っていたとしよう。大佐が戦死すれば、
どちらかの中佐が艦長を代行せねばならない。このときA中佐が「面舵!(右へ曲がれ)」
、B中佐が「取り舵!(左へ曲がれ)」と言えば、この艦は立ち往生する。もちろん
戦闘中に、どちらが艦長を代行するのか、会議や選挙をやって決めている暇はない。

だからこういう場合には、先任順や職種、兵学校の卒業成績等で、同じ階級なら
誰が次の指揮官になるのかが、はっきり決まっているのだ。これを「軍令承行令」と言う。

憲法全体や法律については、今回の範囲外なのでこれ以上は触れないが、
改善が望まれるところだ。


次回はそろそろ音楽ネタに行きたい。乞うご期待。



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