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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.49. 医療への株式会社参入考（その２）
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こんにちは。Hideです。
まずは前回のアンケートにご協力下さった方々、どうも有り難う。
それと読者の方が、またまた増えた。まだぴよさん効果が続いているのだろうか。
だとしたらどうも有り難う。
新しい読者の皆さん、ご登録有難う。歌うたいとしての僕の事は、僕のHPで読めるので、
ご興味がお有りなら、
http://heliotrope.s9.xrea.com/
の、「Hideの全て」を乞うご高覧。
それと医療人や、一個の人間としての僕の事は、「メールマガジンバックナンバー」を
ご高覧頂ければ、よく知って頂けるだろう。
さてそのぴよさんから、早速ご感想が来た。うれしいねえ。ご本人の承諾を得たので、
ここで公開する（以下引用）。
ぴよで〜す。
(*＾o^*)お(*^〇^*)は(*^O^*)よ(*^_^*)う !ってもうお昼や〜
メルマガ届きました！
本当に、現場知らない方の考えることって〜〜ですねｏ(￣^￣*)
うちのＨＰの当直Ｄｒは、直明け外来診察をよくさせられてますねぇ
患者さんがイスに座る時間、数分！（数秒？！）ってＤｒも居ますが…
待ってる時間の方が、莫大に長いやん！
家の病院は、春から急性期ＨＰになったけど、
この儲け主義の方向性は〜嫌だなぁ〜っと思ってます（′O｀）〜３
ここから前のメールのお返事♪
（中略）
> ちなみに「機能」と入力すると、「昨日」と出てきました（爆笑）！
(。・・。)(。．．。)(。・・。)(。．．。)ウンウン
医学用語を打ってたら、いろんな発見がありまーす。
この間まで、眼科＆神経内科だったので、
学会の原稿を打ってたら、変換が〜困りました！
「硝子体」と打とうとしたら、「焼死体」って出ます。
その度に、ヾ(^^; オイオイ ってＰＣに言ってしまいます。
腎臓内科に居る時は、「透析」が「投石」でした！
今では、ＰＣちゃんも覚えてくれて、そんな面白い変換も無くなって
ちょっと、残念です ねｄ(^-^)！
> > 非力でごめんなさい(*^∧^*)（Hide註：読者の方が増えた話だ）
> とんでもないです。とても励みになりました。
そうですか〜((((((^_^;)
（中略）
> 一つじゃとても入り切りません。ですから自腹を切って買ってます。
（Hide註：白衣のポケットの話だ）
ナースの白衣は自腹じゃあかんのよね・・・
可愛いのいっぱい売ってるのにねぇ、
そそっ！羽曳野にある、府立看護大学（だったっけ？もしくは看護短大）の
学生さんの白衣が良いですよ〜
水色のジャージ素材のキュロットスカートなんです！
伸縮性があるし〜キュロットで動き易い！
羨ましいですよ〜（*￣0￣*）
> 練習は出来ましたし、泳ぎには行けましたけど、たまり切った映画等のヴィデオは
> 全然見れませんでした。
そうですよね〜。私もビデオになるとなかなか観ないです。
だから、なるべく映画館に行くようにしてるけど
こっちも、時間がなくて〜〜ですね。
（中略）
> マンションになるそうですが、まだ建ってないようです。南海グループも大変です
> ね（Hide註：つぶれた「狭山遊園」の話）。
そっか〜マンションになるんだ！残念ですね。
> ヴァージンシネマズ泉北は何回か行きました。ああいうシネコンはいいですね。
> もちろん昔ながらの駅の近くの映画館もいいですけど、やっぱりそういう所では
> やってないのも有りますしね。
うん。それにゆったり座れるし、座席指定だから並ぶ時間要らないもんね！
私はお買物も兼ねて、「岸和田カンカン」に行ってます
難波とかより空いてるし、海も見えるから好きなんです。
時間が無い時は、天王寺のアポロシネマ８で済ませちゃうけどね(*⌒0⌒)ｂ
> ラーメン劇場はまだ行ってません。
そっか〜。オープン当初は流行ってたみたいだけど、
今は空いてるみたいですね。「あんまり美味しくなかった」と聞いて
行く気がダウンしてます。まぁ、何でも一度は！の性格なんで
そのうち行ってみます。
> > 日本酒か、お子様〜っと馬鹿にされつつ、甘〜いカクテル系が好きです♪
> 僕はスコッチとバーボンが好きです。ワインは安いのしか飲みません。
> 日本酒も嫌いではないですが、自分で買ってまでは余り飲まないです。
> 夏はトロピカルドリンクがいいですね。
なんか、Ｈｉｄｅさんのイメージですね(*^_^*)
「日本酒・焼酎」って感じじゃないと、思いました。
金曜日にマスターのとこに行ってきたけど…
食事の時に飲みすぎて〜行った時には、（ρ＿-）ネム〜の状態で
「またか〜」と笑われてしまいました(;^_^;)
では！またね
ぴよ ^(*・e・*)^（引用終わり）
僕の返事は以下の通りだ。
> (*＾o^*)お(*^〇^*)は(*^O^*)よ(*^_^*)う !ってもうお昼や〜
こんにちは。
> 本当に、現場知らない方の考えることって〜〜ですねｏ(￣^￣*)
はい。昨日も内科病棟の婦長が、「指示は３時までにしろ」とか
夢物語を言って来まして、「とても無理。院長か事務長に僕の仕事を
もっと減らすように言ってくれ」と答えますと逆ギレして、
「そんなもんはアンタが自分で言え」みたいな事を言い出しましたので、
「言われるまでもなく事務長には口をすっぱくして言っている」と
答えておきました。
結局みんな、自分の事しか考えてないんですね。もうあんな病院、
辞めたくなってきました。
どこか、週３プラス当直週１くらいで医者を募集してる病院
ないでしょうか？（出来れば富田林から近い所がベストですが）
> うちのＨＰの当直Ｄｒは、直明け外来診察をよくさせられてますねぇ
それはおかわいそうに。こういう医療関係者の方の尊い自己犠牲が、
日本の医療の世界一のコストパフォーマンスを支えているのでしょうね。
まあ僕も、昔は直明けに胃カメラとかやってましたけどね。
もう年ですから無理です。しかも金曜は、Helioの集まりの日ですしね。
事務長もさすがにタダでとは言いませんでしたが（救急当番の件も）、
そこまでお金に不自由はしてませんしね。
> 患者さんがイスに座る時間、数分！（数秒？！）ってＤｒも居ますが…
> 待ってる時間の方が、莫大に長いやん！
数秒はさすがに...と思いますが、数分は止むを得ないでしょうね。
病院の医者は忙しいですから（開業医でも忙しい所は忙しいですけど。
うちもそうなりたいものです。富田林に移住される患者さんがいましたら、
先生に僕の所へ紹介されるようお願いして下さい。（中略））。
> 家の病院は、春から急性期ＨＰになったけど、
> この儲け主義の方向性は〜嫌だなぁ〜っと思ってます（′O｀）〜３
僕は今まで、「白衣の商人」たちを、いやと言うほど見てきました。
僕はそういう人達を反面教師として行きたい、そして患者さんが
お金にしか見えない医者にだけはなりたくないと思います。
> そうなんだ！５０号なんて、凄いですよね〜
有難うございます。読者の方は少ないですけどね。
> そうですよね〜。私もビデオになるとなかなか観ないです。
> だから、なるべく映画館に行くようにしてるけど
> こっちも、時間がなくて〜〜ですね。
お互い忙しいですものね。
（中略）
> 私はお買物も兼ねて、「岸和田カンカン」に行ってます
> 難波とかより空いてるし、海も見えるから好きなんです。
ヴァージンシネマズがないときには、岸和田のシネコンにも行ってました。
> 時間が無い時は、天王寺のアポロシネマ８で済ませちゃうけどね(*⌒0⌒)ｂ
あそこは前、「ジャンヌ・ダルク」を観に行った時、満席だった事があります。
>
> そっか〜。オープン当初は流行ってたみたいだけど、
> 今は空いてるみたいですね。「あんまり美味しくなかった」と聞いて
> 行く気がダウンしてます。
その話を聞いて、さらに行く気が無くなりました（笑）。
> なんか、Ｈｉｄｅさんのイメージですね(*^_^*)
> 「日本酒・焼酎」って感じじゃないと、思いました。
焼酎も、嫌いではないですけど。特に熊本へ学会で行った時、
「太鼓判」という米焼酎にはまってしまい（「じょうちゅう」と入力すると、
「条虫」と出てきました！（爆笑））、しばらく取り寄せてたことが有ります。
余り関係はないかも知れませんが、ブラジルの「ピンガ」という
サトウキビから作る焼酎のようなものがあります。いずれメルマでも
紹介したいと思っているのですが、「カイピリーニャ」という
ブラジル音楽のダイニング・バーが心斎橋にありまして（HPは、
http://www.geocities.jp/caipitan/
です）、ここで飲めます。ちなみにここは、第３土曜の８時から、
飛び入りライヴをやってます。先月の僕の写真もHPで見れます（笑））。
僕はピンガのボトルを入れて、ストレートでいつもやってます。
> 金曜日にマスターのとこに行ってきたけど…
> 食事の時に飲みすぎて〜行った時には、（ρ＿-）ネム〜の状態で
> 「またか〜」と笑われてしまいました(;^_^;)
お忙しい毎日なんですね。お疲れさんです。
ところでこのやりとりも、メルマのネタに使っていいでしょうか。
またご返事下さい。
> では！またね
はい。またいずれ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
Hide
返事は以上だが、いくつか補足しておこう。
まずその婦長だが、昨日は昨日で、こちらが回診する患者さんのカルテを順番に
積み上げているのに、一番上のカルテと違う患者さんの事を一方的にまくし立て
（その人の順番の時にはもう忘れているのがオチだ）、僕が「（看護婦さんから医者に
患者さんの状態を報告する）紙に書いて下さい」と言うと、何と僕が作業していた場所で
書き始めた。これではその間仕事が出来ない。まああきれ返ってしまって、
もう何も言わなかったが。
やはりどんな分野でも、人の上に立つ人間には、それなりの頭の良さは必要だ。
そう言えば僕がまだ２年目の研修医の時、３ヶ月出張した天橋立の近くの某病院の
内科病棟の婦長は、頭がかなりクエスチョンマークだった。
と言うのは、研修医は内科の３つの病棟と、集中治療室ををローテートしたのだが、
その病棟に行ったとき、その婦長が僕らのオリエンテーションを担当した。
それはいいのだが、「これは前の病棟と同じです」を何とかの一つ覚えのように連発し、
僕が「すみませんがどこが違うかだけ教えてもらえませんか？その方がお互い時間の節約に
なると思いますが」と言うと、何と「どこが違うかは知りません」とおっしゃって下さった。
なかなかユニークなお方だ。
ちなみにある先輩によるとこの婦長は、腸閉塞の患者さんにドクターストップを無視して
食事を摂らしたりと、なかなかトンデモなお人だったらしい。
次に週３プラス当直週１くらいで医者を募集してる病院は、現在も募集中だ
（くどいようだが、出来れば富田林から近い所がベストだ）。
読者の皆さんの中に、病院の経営者の方や、高級事務職員の方はいらっしゃるだろうか。
もしいらっしゃれば、
hide@helio-trope.com
まで、ご連絡お待ち申し上げます。
ちなみに、今の病院を辞めたい理由は、他にもいくらでもある。以前言ったように、
待合室や病棟のエレベーター前には、タバコの煙が充満しているし、エコーは３週間や
４週間先にしか予約が入らないし（その事を副院長に訴え、「エコーの出来る技師さんを
雇おう」と言うと、驚くなかれ「自分でやれ」とおっしゃって下さった。そんな時間が
どこにあるというのだ。逆さに振っても出はしない）、そういう病院だから、
分かっていない患者さんばかり来るし、外来の主任看護婦（とその部下？）に至っては、
僕のカルテ記載の上にゴム印を押すという、常識のかけらもない事をしでかしてくれる
（さすがに首をかけて事務長に訴えると、やっと止めさせたようだが。
こんな事に首をかけないといけないのが、余りにも情けない）。
補足の最後は、「カイピリーニャ」の事だ。以前「僕はボサノヴァオタクだけども、
行く所に行くともっとすごい人たちがいる」という話をしたが、実はそれはここの事だ。
ここは多分関西一円から、腕の立つブラジル音楽のミュージシャンたちや、シンガーたちが
集う所だ。第３土曜の８時からの飛び入りライヴでは、僕の聴いた事のない、
そしていい曲の数々を演奏してくれる。今まで連載したボサノヴァ講座を読んで、
生のボサを聴いてみたいという方は、是非とも足を運んで欲しい。
ちなみに僕は、来月から事情により、しばらく飛び入りライヴには行けない。
今日は行こうと思っているが。来月から僕の分も行って下さい。
カイピリーニャには、かの小野リサさんもコンサートの後に来ることがあるらしい。
リサさんのファンの方は、行ってみられてはいかがだろうか。ただもしいらっしゃっても、
お疲れだと思うので、余りしつこく話しかけない方がいいとは思うが（サインくらいは
CDとかを持っていってお願いしてもいいだろうが）。
それでは本題。お約束の、前回の続きだ。
前回の話を要約しておくと、医療への株式会社参入（以下単に「会社参入」）は、
僕は余り感心しない事、会社参入というと、僕は以前いた、あるどうしようもない病院
（仮に「K病院」としよう）の事を想い出す事、このK病院は拝金主義に毒されていた事
（具体的に言うと、病棟は定額制の老人病院だったので、とにかく何もしない方が
儲かるという事で、必要な検査もやらず薬も出さず、ほとんど収容所状態だった事、
その一方で、外来はいろいろすればするほど請求出来るので、とにかく要らない薬や点滴や
検査が、当たり前のようにデカい面をしてのさばっていた事）、そういうわけで
要らない点滴をするのが当たり前のように思うレヴェルの患者さんが
集まっていたという事、そしてここの病院を傘下に収めていた、某医療法人
（以下「Tグループ」）の理事長が、これがほとんど「白衣を着た病院買収屋」で、
前述の手抜きや点滴漬けを強力に推し進めていた事だ。
まあこの病院について、僕の言いたいのは大体こんな所だが、いくつか補足しておく。
この理事長さん、週一回はこちらに「医局会」とやらと夜診をやりに来るのだが
（Tグループの本拠地の病院は、大阪市内にあった）、医局会と言っても他の病院で
やっているような医療に関係のある話はごくわずかで、大体病院買収関係の来客と会うのに
忙殺されていた。
で大切な事は、大体夜の、酒を飲みながらの夜の「会議」で決まっていたようだ。
僕は前の日当直だったし、４時で帰っていたのでどんな集まりかは知らないが。
ちなみにこの人は、外来診療は「人気商売」「客商売」で、「とにかく患者さんには
ヘイコラしていればいい」という、僕とは相容れない医療観の持ち主だった。
もちろん外来診療には、ある程度の客商売的要素は必要だ。
患者さんがまず来てくれないことには、その人に対して医療は出来ないのだから。
しかし僕らの仕事には、「商売」と決して割り切ってしまってはならない部分がある。
少なくとも僕はそう信じている｡
例えばあなたが、お菓子屋さんだとしよう。お客さんが、「チョコレート１０個おくれ」
「２０個おくれ」と言ってくれば、その通り売ってあげればいい。お客さんが、
自分のお金で何を買って何を食べようが、法律に触れない限りはその人の自由なのだから。
またあなたはお客さんの健康について、何の責任もないのだから。別にお客さんが
チョコレートの食べ過ぎで肥満して、成人病になってもあなたの知った事ではない。
お客さんも喜ぶし、自分も儲かるのだから誰も困りはしない。
ところが僕ら医者は、そういうわけには行かぬのだ。要らない薬や点滴を出してくれ、
検査をしてくれと言われても、少なくとも僕は困る。
理由その一。保険診療の場合は、患者さんは３割しか僕らの「お客さん」ではないからだ
（３割負担の人なら）。残りの７割は、国や自治体や健康保険だ。ひいてはその税金や
保険料を支払って下さっている国民の皆様だ。
だから医者というのは、公のお金を動かしている点と、そこから収入を得ている点で、
たとえ私立の医療機関でも公務員的性格を持っている（もちろんその事に
気づいていないか、または気づいていない振りをしている医者もゴマンといるが）。
よって保険診療の場合、要らない薬や点滴や検査を要求するのは、社会の迷惑である事を
肝に銘じて頂ければと思う（まあこのメルマの読者の方には、それが分からないような方は
いないはと思うが）。大人なら他人の迷惑を考えるのは、常識というものだろう。
ちなみに以前言ったM病院というボッタクリ病院では（
http://heliotrope.s9.xrea.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」のVol.40を乞うご高覧)、老婦人が要らない点滴を
要求したので、「それは不要だ」と言うと、息子と自称するチンピラヤクザ
（あるいはヤクザまがい？）があろう事か診察室に乱入してきて、「こちとら客だぞ」と
威張り始めた。ちなみにこやつは生保だった。どこが客だとぬかすのだろうか。
僕らが汗水たらして納めた税金で、医療を受けさせて頂いている身分ではないか。
話を元に戻そう。理由その二。たとえ保険診療でなくても、僕は要らない薬は
出したくない。というのは、副作用の責任は、僕が負わなければならないのだから
（まあ今の所、僕は自由診療はしていないが）。
勘違いされている方もいらっしゃるが、医者が薬を出すという事は、その人の健康について
責任を持つという事だ。僕が診察なしで薬を出さないのも、それが理由だ。
長くなってきたので、続きは次回。悪しからず。ボサノヴァ講座もここ２回出来なくて、
重ねて悪しからず。必ずいずれやります。
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は
hide@helio-trope.com
までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
（ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記）
デワマタ。