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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.83. 日本の医療に未来あれ! (その1)
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こんにちは。Hideです。
まずは前回のアンケートにご協力下さった方々、どうも有り難う。
それと、読者の方が7人増えた。これは、「院長、がんばって!!スタッフ15人からの
院長学」というメルマで、このメルマをご紹介頂いたおかげだ。どうも有り難う。
「院長、がんばって!!...」というメルマはその名の通り、病院やクリニックの
院長向きに、開業のノウハウを教えてくれる、医療コンサルタントの方が
書いていらっしゃるメルマだ。開業の先生や、開業を考慮中の先生には特にお勧めだ。
もし宜しければ、
http://melten.com/m/16561.html(メルマ)
http://members.aol.com/inchoo/malmag.htm(発行者の方のHP)
を、乞うご高覧。
新しい読者の皆さん、ご登録どうも有難う。多分皆さんドクターの方が大多数で、
医療ネタがお目当てと思いますので、余りご興味はないかも知れませんが、
歌うたいとしての僕の事は、もし宜しければ、僕のHP
http://www.helio-trope.com/
の、「Hideの全て」をご高覧下さい。
それとこの機会に、くどいようだが内科以外のドクターの皆さんから(もしいらっしゃれば
だが)、「あなたの主治医をやる気にさせる法・○○科編」や、「 医者の選び方・
ここがポイント(○○科編)」を募集する。原則としてノーカット、無編集で
掲載させて頂くので(コメントは付けさせて頂くが)、ふるって
hide@helio-trope.com
までご投稿下さい。僕も是非とも読みたいです。
書き方がご見当がつかないのでしたら、僕のHP
http://www.helio-trope.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」の、「Vol.17. あなたの主治医をやる気に
させる法・初診編(完全版)」や、「Vol.18. 医者の選び方・ここがポイント
(内科編)」を、ご参考までご高覧下さい。
さて、先週の前振りの続きをやろう。
もう一件の次の病院候補だが、堺市の某大病院だ。事務長さんと事務次長さんが出て来た。
この規模の病院で、事務長さんが女性だったのは正直言って驚いた。よほど有能な
人なのだろう(断わっておくが、僕は女性蔑視論者ではない。ただ今の日本の社会が、
まだまだ女性が簡単に出世できる状況になっていないと言っているだけだ。念のため)。
報酬と自宅からの距離は、前回の病院と似たようなものだったが、ただそれが、検査なしでの
話なのと(だから前回言ったように、検査をクビになって報酬を減らされる心配がない)、
8時半に出勤しなくていいのと、外来が完全紹介制なので(まあ300床以上の病院だし、
当然とは思うが)、患者さんがセレクトされて、余り変な人が来そうにないのとで、
ここにしようと思っている。
まあこの話は、またいずれもっと詳しくしよう。
さて本題だが、せっかく医療系の読者の方が新しく入って来て下さった事だし、
今回は歓迎会という事で、Vol.76で予告した、鈴木厚先生の本「日本の医療に未来は
あるか──間違いだらけの医療制度改革」(ちくま新書)の話をしよう(ボサノヴァ講座・
特別編は、どうせあと3回では完結しそうにないので、一回休みとする。楽しみにして
下さった方、ゴメンナサイ)。
この本の要旨は、一言で言うと、
「日本の医療界の諸悪の根源は、国家(ネアリーイコール政治家)が、医療にお金を
かけていない事である」
という事だ(まあそういう政治家を選んでいるのは、他ならぬ国民なのだが)。
「諸悪」とは、医療事故、医者の説明不足、いわゆる「3時間待ちの3分間診療」等である。
「お金をかけていない」証拠として、鈴木先生は以下のようなところを挙げて
いらっしゃる(あくまで抜粋なので、もっと詳しく知りたい方は、700円(税抜き)と
内容の割には高くはないと思うので、本を買おう)。お忙しい臨床をこなしながら、
本当によくここまで勉強されたと、ただ感心するばかりだ。僕流に要約しておこう。
国民医療費は年間30兆円で、これは一見すごいようだが、驚くなかれ公共事業費の、
わずか約3分の1だ(85兆円)。ちなみに欧米では逆で、建設投資は医療費の約半分だ。
つまり日本は欧米の約6倍、人命を軽視している事になる。
一方国民が政府に望む事の第1位は、常に医療・年金、福祉の充実だ。道路整備なんかは、
常にベストテンの圏外だ。いかに政治家が国民を無視しているかが、これではっきり
するのではないだろうか。
また30兆円は、パチンコ産業の上がりと同程度で、国民年金(40兆円)より安い。
葬式産業でさえ15兆円だ。おまけに政府は、銀行救済には70兆円使っている。
もう一つついでに言うと、30兆円は日本の土地全体の価値の100分の1
(3114兆円)、金融資産の40分の1(1200兆円)、個人保険金額の50分の1
(1400兆円)だ。
長くなってきたので、鈴木先生のお言葉を引いて、続きは次回としたい(以下引用)。
「国の予算や資産を、自分の家の家計に当てはめてください。パチンコをしたいから、
家を建て直したいから、預貯金をとり崩したくないから、りっぱなお墓を建てたいから、
そのため家族が病気になっても病院に連れていかない。このようなことはあり得ない
ことです。資産を全部なげうてば200年分の国民医療費に相当するのです。(中略)
医療費が高いと言う前に、パチンコを止め、孫にやっている年金からの小遣いを
減らすべきではないでしょうか。」
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想、ご質問等は
hide@helio-trope.com
までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)
それとくどいようだが、このメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、
http://www.helio-trope.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。