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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.18. 医者の選び方・ここがポイント 〜内科編〜 (完全版)
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こんにちは。Hideです。

まずはお詫びとお礼。Vol.16にアンケートをお寄せ下さった方への御礼を忘れて
いた。すみません。そしてどうも有り難う。励みになります。

次にお知らせ。僕は個別の健康相談にはお答えしてませんので悪しからず。

さて本題。前回の内容に、やはり「迷医度チェック」の併記は欠かせないと思う。

ただタイトルの過激さから、今までバックナンバーへの掲載を見合わせて
いたのだが、今回の表題の通り改題して、ブラッシュアップしたので再び
公開する。ご利用下さい。

なお例によって文中でも言っているが、転載・転送・プリントアウト・配布・
引用等全てどうぞご自由に(但し出典は明記して下さい)。では。



医者の選び方・ここがポイント(内科編)

(旧題:「あなたの主治医・迷医度チェック(内科編)」)


前文:

ご存知の通り、僕は歌うたいと兼業の医者だ。だから専業の医者の方よりは、
はっきり言って藪医者だ。

ところが、本当はこんな事は言いたくはないのだが、世の中にはこんな藪医者の
僕から見ても、「どうもねえ...」と言いたくなってしまう、藪にもなれない
「竹医者」たちがゴマンといる。不勉強な医者、勉強しているのかも知れないが、
それを実際の診療に生かす気がないとしか思えない、プロ意識のかけらもない医者、
他の科の医者なのに、「内科なんて、手術も何もせんと薬を出すだけやし、わしにも
出来るわい」と勘違いしている医者、金儲けのことしか頭にない白衣の商人たち...。

そして哀しい事に、患者さんの圧倒的大多数は医学の素人さんだし、こういう
竹医者どもに限ってまた愛想だけはいいので、患者さんはだまされて竹医者どもが
よく流行る。そして、竹医者どもの間違ったやり方が、当たり前だと思い込んでいる
患者さんたちが大量生産され、ちゃんと勉強もしていればやる気もある有為の
医者たちが、そういう患者さんたちによってどんどんスポイルされて、竹医者に
成り下がっていく。そして...、という悪循環が、今の医療界の現状だ。
実に嘆かわしい事である。

しかし、嘆いてばかりはいられない。何とかせねばならない。そのためにはまず
患者さんに、竹医者を見抜く目を持って頂かなければならない。

えっ?「素人の俺たちに、そんな事が出来ると思っとるんか」って?

出来るんである。このメルマを読んで下さる皆様にだけ、竹医者から身を守る
とっておきの武器をプレゼントしよう。早速チェックしてみて下さい。

もちろん著作権がどうのこうのといったケチ臭い事は一切言わないので、転載・
転送・プリントアウト・配布・引用等全てどうぞご自由に(但し出典は
明記して下さい)。


結果の読み方:

2個以上チェックがついた場合は、もし命が惜しければ、次の医者を探し始めた
方がいいだろう(但し「殺される!」、「殺されかねない」、「これは危険だ!」や、
「問題外」がついているのは1個でも危険)。

そして3個以上なら、次の医者のアテがなくても、次の診察で即紹介状を書いて
もらうこと。「引越しする」等「ウソも方便」すればいい(それを書かないような
無責任な医者なら、それこそもう二度と行かない方がいい)。


注意:

「内科編」とは言ったが、僕は内科医なので、外科編や小児科編が続くわけでは
ない。悪しからず。

なお理由については、いちいち全部書いている時間はないが、あなたの主治医に
当てはまる項目がもし有れば、メールでお問い合わせ頂きたい。ではスタート!


1.初診編

◇いろいろな科の名前を出しているのに医者は一人

◇いろいろな科の病気を一人で診ている
(以上2つは、「何でも来いは何でも下手」という事)

◇挨拶しない

◇最初から横柄(いわゆる「態度がデカい」)

◇明らかに年下なのに、敬語を使わない(いわゆる「タメ口」)
(まあ以上3つは、医者としての優劣以前の問題だろう)

◇あなたの話を聞かない。聞いてもカルテに書かない(但しあなたが病気と
関係ない話をしていたり、関係あっても同じ事を繰り返しているのなら別)

◇逆に質問してこない(但しあなたが、病気と関係有る事無い事とりまぜて
延々としゃべりまくって、医者をうんざりさせた場合は別だが)

◇冬でも、手や聴診器を温めない

◇診察室が寒い

◇待合室が寒い、またはうるさい

◇待合室に、タバコの煙がもうもうとしている
(以上4つは、医者以前の問題だろう。医療機関は、熱で調子の悪い方が
来られる所だ。但し部屋については、病院の医者は別)

◇あなたの顔を一度も見ずに、薬や注射を出す(こういうのはただの薬屋さん、
「注射屋さん」である)

◇体(含むお腹、足)を、一度も診察しようとしない

◇胸に聴診器をあてている時、あなたがしゃべっても涼しい顔をしている
(その聴診器は、完全なるナマクラと思っていい(またはその医者が
高度の難聴か、あるいは両方かだ))

◇血圧を測るとき、袖をまくり上げさせる(値が狂う!)

◇いきなり胸から診察を始め、目や首を診ない

◇あなたのお話中、第三者が割り込んでも何も言わない(問診という真剣勝負に、
その程度のテンションで臨んでいるという事だ。もちろん聖徳太子並みに、同時に
二人の言うことを聞き分けられるなら話は別だが...)

◇診察のあと、考えられる病名(少なくとも異常が考えられる臓器名)を言わない

◇薬の種類、検査の内容について説明しない

◇あなたの質問にちゃんと答えない(ただし的外れな質問や、同じ質問の
繰り返しは別)

◇他の医者からの紹介状に、返事を書かない


2.再診編

◇「体がしんどい」と言うと、原因も調べずすぐに注射や点滴をしたり、
ビタミン剤等を出す(あなたがリクエストした場合は、当然別)

◇検査が異様に多いのに、結果説明が異様に少ない

◇診察や検査が全然ないのに、点滴や注射がいつまでも続いている

◇あなたが明らかに専門外の訴えをしても、なかなか専門医に紹介しない

◇症状が全然よくならないのに、なかなかもっと大きな医療機関に紹介しない

◇あなたが「この症状は薬の副作用ですか?」と訊くと、本も調べず「違う」と
きっぱりと言い切る(まずハッタリと思っていい。もちろん本が一冊まるごと
頭に入っているなら別だが、そんな頭のいい人は医者などにはならず、
将棋指しにでもなっているだろう)


3.急性病編

◇風邪で、薬を4日以上出す。3日以下でも、診察なしで追加する(ただしあなたが
リクエストした場合は別。以下3つも同)

◇ただの風邪で、食事や水分も摂れているのに、すぐに注射や点滴をする

◇ただの風邪なのに、抗生物質(ばい菌を殺す薬)の点滴をする(殺されかねない。
ただし扁桃炎が有る場合は別)

◇ただの風邪なのに、いきなり最初の診察から、採血やレントゲンをする

◇乳幼児や老人の方、心臓や肺の病気がある方の風邪でも、抗生物質を出さない

◇同じ抗生物質を8日以上出す

◇風邪で薬や注射や点滴が出て、一見すぐにケロリと直ったように見える
(『副腎皮質ステロイド』と言う、副作用の予防や監視を厳重にせねばならない
薬である可能性有り!)

◇急性の心筋梗塞や脳卒中なのに、救急車を呼ばない。病院なら入院させない
(殺される!)

◇痛み止め(お腹以外の)や熱さましを出すのに、胃薬を一緒に出さない


4.慢性病編

◇2ヶ月以上診察がないのに、薬だけ出ている(あなたがリクエストした場合は当然別)

◇高血圧なのに、血圧をめったに測らない(以下9つは診ているとは言えない。
ただしあなたが拒否している場合は当然別である)

◇高血圧なのに、レントゲンや心電図、採血や検尿をしたことがない

◇高コレステロール血症((以下「高脂血症」)や糖尿病、痛風や高尿酸血症、
腎臓病なのに、血圧をめったに測らない

◇これらの病気なのに、採血をめったにしない

◇慢性肝炎や胆石なのに、エコーをした事がない

◇慢性肝炎や貧血、甲状腺機能亢進症(「バセドウ病」とも言う)や低下症なのに、
採血をめったにしない

◇バセドウ病で薬が出ているのに、熱やのど痛の際すぐ来るように言わない
(殺される!)

◇糖尿病で薬や注射を出すのに、低血糖の話をしない(殺される!(但し
「グルコバイ」や「ベイスン」は別))

◇胃や十二指腸の潰瘍(以下単に「胃潰瘍」)なのに、胃の検査をめったにしない

◇胃潰瘍なのに、胃カメラやバリウムをした事がない

◇胃潰瘍なのに、「症状がないから」と言って治療しない

◇糖尿病や高コレステロール血症、高尿酸血症や痛風、そしてもちろん
心臓病なのに心電図をとった事がない(あなたが拒否している場合は当然別、
以下同)

◇糖尿病なのに血糖だけ測って、コレステロール等を測らない

◇糖尿病や腎臓病なのに、栄養士さんのお話を聞かそうとしない

◇あなたが喫煙者で、胃潰瘍、高血圧、糖尿病、喘息や肺気腫、
心筋梗塞や狭心症、高脂血症や痛風・高尿酸血症なのに
「タバコをやめなさい」と言わない(但し、あなたが喫煙者である事を
言っていない場合は別)

◇糖尿病で朝食前の血糖が140以上、食後2時間の血糖が200以上、
ヘモグロビンA1c が7.0以上なのに、何もせずそのまま診ている(もちろん、
ヘモグロビンA1cとは何か説明していないようなのは、もう問題外である。但し
以下7つについては、あなたが対策を拒否していれば当然話は別)

◇糖尿病で朝食前の血糖が110以下、ヘモグロビンA1c が5.5以下なのに、
薬や注射を減らさずそのまま診ている

◇糖尿病なのに、眼科に紹介しない(目がつぶれる!)

◇朝食前の血糖が、111以上126以下なのに、糖尿病の精密検査をしない

◇高コレステロール血症(以下「高脂血症」)でLDLコレステロールが160以上
なのに、何もせずそのまま診ている(もちろんLDLを計算しない、説明しないのは
問題外)

◇高血圧で、血圧の上が140、下が90以上なのに何もせずそのまま診ている
(但し、あなたが70歳以上なら話は別)

◇高血圧で、血圧の上の方が120未満が続いても薬を減らさない

◇高脂血症なのに、高コレステロール食の制限を指示しない

◇高血圧なのに、塩分を控えるよう指示しない
(この2つは、あなたが70歳以下の場合に限る)

◇血圧が一回高かっただけで、すぐに薬を出す(但し上が180、
下が110以上の場合は別)

◇あなたが家で測った血圧を無視する(「白衣性高血圧」を知らないという事だ)

◇あなたの血圧計を、診察場に持って来させない(不良品でないという保証はない)

◇貧血の原因を調べずに、いきなり薬を出す(「鉄芽球性貧血」なら、殺されかねない)

◇鉄欠乏性の貧血なのに、胃の調子や便の色、血便の有る無し、あなたが女性なら
生理の事を聞かない

◇鉄剤の注射をしているのに、検査をめったにしない(これは危険だ!)

◇喘息発作のときにする吸入を出すのに、回数の事や効かなかったときの対策に
ついて何も言わない(殺される!)

◇喘息が飲み薬でよくならないのに、定期的に(毎日)する吸入を勧めない

◇狭心症なのに、心筋梗塞の話をしない(殺される!)

◇肥満症なのに、食事の仕方について指示しない

◇ただの花粉症なのに、耳鼻科へ紹介もせず、副腎皮質ステロイドの飲み薬
(「セレスタミン」、「プレドニン」など)を出す

◇糖尿病や高脂血症で、食事が取れているのに、カロリーの入った点滴をする
(「生理的食塩水」以外は、カロリーが有ると思って間違い無い)

◇高血圧や心臓病で、他に病気も無いのに、塩分の入った点滴をする(特に
心不全等なら、殺されかねぬ。「5%(または10%)ブドウ糖」以外は、塩分が
入っていると思っていい)


5.検査編

◇採血の前に、食事をして来たかどうか、したとすればそれは何時頃か訊かない
(但し、看護婦さん等が代りに訊けばOK )

◇咳や痰が2週間以上続く、または血の混じった痰が出る(これは特に中年以上、
その中でも喫煙者の方)のに、胸のレントゲンを撮らない

◇息が苦しいのに、酸素の検査をしない

◇喘息発作のとき、血の検査をしないでいきなり酸素を始める(殺される!)

◇胸が痛かったり、脈がとんだりするのに心電図をとらない(殺されかねぬ)

◇GPTが高いのに、肝炎ウイルスの検査をしない

◇熱が2週間以上続くのに、採血をしない

◇血を吐いたのに、または大便が真っ黒なのに胃カメラをしない(殺される!)

◇尿だけ検査して、血液を調べていないのに、糖尿病の薬を始める
(これも殺される!)

◇血尿や蛋白尿なのに、尿の詳しい検査をしない

◇便に潜血が出ている、あるいは肛門から出血しているのに、
大腸のバリウム検査やカメラをしない

◇胃カメラもバリウムも全然なしで、胃酸を抑える薬(「ガスター」、
「タガメット」、「ザンタック」、最近では「オメプラール」、
「オメプラゾン」、「タケプロン」、「パリエット」など)を、
何年も同じ量で使っている

◇新しい症状が有るのに、1年や2年前の検査を見て、「どうも無いし大丈夫」と
言って涼しい顔をしている




最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。