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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.16. あなたの主治医をやる気にさせる法・初診編(その7)
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こんにちは。Hideです。


まずは補足。4.診察(身体所見)編の、胸の診察だ。

医者はまず、「大きく速く息をして下さい」とか言って来るはずだ。そこで、

◇言われた通り、大きく速く息をする。但し速く息をし過ぎぬ事(犬が暑いときに
するようなのはNG )

これは肺の音を聴いているのだが、次に心臓の音を(少なくともまともな医者は)
聴く。「もう普通の息でいいです」とか言って来るはずだ。だから、

◇言われた通り、いつもやっている通り普通に息をする

何しろ限られた時間の中でやっているものだから、あとからあとから「ここは
こうすれば良かった」とか、「まだ言い足りなかった」というのが出て来る。
「あなたの主治医をやる気にさせる法・初診編」は、いずれ完全版を編集して
お届けしたい(もちろんここまでの分も含めて、転載・転送・プリントアウト・
配布・引用等全てどうぞご自由に。但し出典は明記して下さい)。


次にお礼だ。アンケートをお寄せ下さった方々、どうも有り難う。

ただ今回は、初めて「良くなかった」に投票された方がいらっしゃった。
これは謙虚に受け止めねばならぬだろう。

コメントは一切無いので、僕なりに何故今回は良くなかったのか、
いくつか考えてみた。

1.Vol.15は、患者さんに対する毒が多過ぎた

→まあこれは、Vol.15に始まった事ではないが。しかし僕は神様でもなければ、
聖人君子でもない。医者が出来る事と歌を作って歌える事を除けば、おそらく
人並みの感情を持った、ただの平凡な男だ。人格者の方のお言葉が聞きたいので
あれば、他のメルマを探された方がいいかも知れない(あるいは教会等に
行かれるか)。

2.Vol.15は、他の医者に対する毒が多過ぎた

→これもVol.15に始まった事ではないが、しかし今回は更に毒が強く、
かつ多かったのは否めないだろう。

僕のような忙しい人間にとっては信じられない事だが、世の中には医者や
他のスタッフの方や、他の患者さんとお話をして時間をつぶすために、
医療機関に来られる方も結構いらっしゃるようだ。

おそらくこういう方にとっては、Vol.15の「竹医者」とかは結構「いいお医者さん」
なのだろう。そして件の上司にとっては経営とかが大切だから、こういう患者さんを
集められる医者イコール「いい医者」なのだろう(長い目で見れば、病院の評判は
誤診すれば落ちるだろうが)。

僕は医療機関というのは、患者さんに元気で長生きして頂くために有ると
思っている。僕は患者さんはそのために、医療機関に来て下さると思っている。
そして自分が医療機関を訪れるときは、そういう目的で行く。

患者さんに元気で長生きして頂くためには、そんなに患者さんにとって耳あたりの
いい事ばかりは言っていられない。つらい食養生をして頂いたり、苦痛の多い検査も
受けて頂いたりせねばならぬ事も有る。お忙しい中入院して頂いたり、点滴に毎日
通って頂かねばならぬ事もあろうし、酒やタバコを止めて頂かねばならない事も
あるだろう。まさに「良薬口に苦し」だ。

元気で長生きするために医療機関に来て下さる方にとっては、僕はそんなには
的外れな医者では無いはずだ。しかし時間をつぶすために医療機関に来られる方に
とっては、多分僕のようなのは「怖い先生」なのだろう。

まあ結局、求めているものが違うのだと思う。どちらがいい悪いの問題では
ないのだろう(きっと)。

ただ、僕は自分の道を行くだけだ。自分の医道を貫き通すだけだ。

それで食えないのなら、食える場所を探すだけだ。

3.投票された方が、某病院の関係者ないし支持者の方だった

→これはしょうがない。言論の自由だ。

もちろん件の病院でも、決して悪い事ばかりあったのでは無い。大学で5年間に
診るぐらいの数の患者さんを、1年とちょっとで診せてもらったし、
新しい技術もいろいろ覚えさせてもらった。それに今まで持っていた技術にも
磨きはかけられたし、非常に勉強にはなった。

もちろん安い給料でかつ、かなり過酷な労働だったから、勉強させてもらっただけの
物はきっちりお返ししたと思う。だから言うべき事は遠慮無く言わせて頂いているし、
これからも折に触れて、言わせてもらう事も有るだろう。悪しからず。

「良くない」に投票された方、その理由が以上3つのどれでも無いのでしたら、
差し支えなければ

hide@helio-trope.com

までお教え下さい。今後のメルマ作りに参考にさせて頂きます。


話はそれるが、この際だから「迷医度チェック」についても一言言い足しておこう
(何の事か分からない方は、僕のHP

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」のVol.3. とVol.4. を乞うご高覧)。

Vol.3. で言った通り、世の中には内科以外の科の医者なのに、「内科なんて手術も
何もせんと薬を出すだけやしわしにも出来るわい」と勘違いしている医者がゴマンと
いる(まあ医者には専門という物が有るのが分からず、「専門外の科も診てくれ」と
言う患者さんも悪いのだが(こういう患者さんはゴマンといる))。

こう言う医者は確かに内科の「竹医者」かも知れぬが(と言うかよほど優秀でない
限りそうだろうが)、本当の専門の科については名医かも知れぬ(それは僕には
分からない。他の科の先生に聞いて下さい。ちなみに他の科の「迷医度チェック」も
しつこく募集中です)。彼らの名誉のために、それだけは言っておく。


非常に前置きが長くなったが、本題に入ろう。いよいよ最終編の5.説明編だ。

さて診察が終わった(場合によっては、すぐに結果が出る簡単な検査を追加し、
結果が出た)。そこで、

◇とりあえずの結論を言うので、茶々を入れずに、必ず最後までしっかり聞こう。
ご意見、ご要望等はそれからどうぞ(「人の話は最後までしっかり聞く」というのは
小学校で教わったはずだが、どうもそれをお忘れの方が多いようだ)

当然の事だが、

◇間違っても、頭にご自分の結論を言わない(笑ってはいけない。こういう人は
現実にいる。「一体それまでの診察は何やねん!」という事になる。

(余談:前いた病院で、診察が終わった後で、開口一番「○○先生の薬をくれ」と
言った人がいた!!(当然次回からはその先生の方に行ってもらうように、
事務員さんに言ったが))

◇説明内容を覚えられる自信が無ければ、メモを取ろう(これは準備編で言うべき
だったかも知れない)

また、

◇図を書いて説明しているときは、図をしっかり見よう(時々図を書いている
ときも、僕の顔に見入っていらっしゃる方がおられる。そこまでハンサムなのか
どうか自信が無いが(これは冗談))

◇勧められた薬・検査・点滴・注射・処置等は、極力拒否しないで協力する(時間的
および経済的な理由等で無理な場合は、説明が終わってから申し出て欲しい。
そのときは次善の策を提案する。もちろん不必要な薬・検査・点滴・注射・処置等を
提案する(ないしは押しつける)医者の面汚しも世の中にはゴマンといるが、
そういうのは「迷医度チェック」で見破れるはずだ(ちなみにしつこいようだが、
「迷医度チェック」の完全版は、メールでご請求頂ければ送らせて頂く))

これと関連してもう3つ。

◇副作用を必要以上に怖がらない(副作用の予防・早期発見と早期対策は、医者の
一番大切な仕事の一つである。これが無いのなら薬局の方が、待ち時間が無いだけ
ましだ。まともな医者は、副作用より薬等のもたらす利益が大きいと判断した場合に
だけ、薬をお勧めするものだ)

◇診察前の検尿は診察のうち(一番怖いのは、糖尿病の「ケトアシドーシス」という
致命的な合併症を、胃腸炎とかと誤診する事だ(腹痛で発症するので)。他にも
検尿で、腎炎とか膀胱癌とか、いろんな病気が見つかる事がある)

◇健康診断で異常を指摘されれば、精密検査を必ず受ける事(そうしないと貴重な
税金と、医療関係者のマンパワーが無駄になる。それが出来ない方は、最初から
検診を受けないで欲しい)

(余談2:前述の病院で、検診で明らかに活動性のB型肝炎と分かったのに、
精密検査を勧めると、まず「それは無料なのか?」と訊いて来て、「こちらは
ボランティアでは無いので当然法律で決まった料金を頂きます」と言うと、
拒否した人がいた。困ったものだ)

◇不必要な薬・検査・点滴・注射・処置等を要求しない!(病院は薬局ではない。
貴重な税金と、医療関係者のマンパワーを無駄にしないで欲しい。大人なら
他人の迷惑を考えるべきだ)

(余談3:この際だから、ただの風邪に何故点滴・注射が要らないのか、
かいつまんで言っておこう。風邪のほとんどは、ウイルス(俗に言う「ビールス」)
で起こるものだ。そして風邪のウイルスにもいろいろ有るが、インフルエンザ
ウイルス以外の風邪のウイルスに効く薬や点滴や注射は、残念ながら現在の医学には
無い(インフルエンザウイルスに効く点滴や注射も無い)。そういうことだ)

◇書類はせかさない(以前にも言ったが、あなた一人の外来では無い。
さらに言えば、外来だけの医者でもない)

(余談4:僕の病院が有る某市などは、市が検診命令の患者さんの意見書を、
まだ検査も終わっていないのに、お乳をねだる赤ん坊のようにせっついてくる。
全く公僕意識の無い公務員は困ったものだ)

◇無理な診断書を要求しない(診断書には根拠の無い事やウソは書けない。
それは犯罪である)

◇再診日には必ず来院する事(まあ常識では有るが)

まだまだ有るかも知れないが、このへんで5.説明編、そして「あなたの主治医を
やる気にさせる法・初診編」、ひとまず終わりとしたい。最後までお付き合い頂き、
どうも有難う。

21日は前に言った通り休ませてもらう。28日に何を書くかはその間に決めたい。
しつこいようだが、「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎なので、

hide@helio-trope.com

までどうぞ。(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等も

hide@helio-trope.com

までどうぞ
(これもここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)。


それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。