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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.3 医者を選ぶのも寿命のうち(上)
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こんにちは。Hideです。
毎週土曜と言っていたのだが、先週は人間ドックに行っていたので休刊させて
もらった。悪しからず。
まずは新しく登録して下さった方々、どうも有り難う。皆さんのご期待にお応え
出来るよう、これからも全力投球で頑張って行きたいので、これからも応援
よろしくっ!
それからこのメルマを宣伝して下さった方、どうも有り難う。またあなたのも宣伝
したいので、ご連絡下さい。
全く4倍以上に読者の方が増えて下さって、うれしい限りである。ただこれはライヴ
でもそうだが、「ああ、今日のライヴは本当によかったなあ!」と思って家路に
ついて下さる方が、もし一人でもいらっしゃれば、僕は満足なのだ。メルマもまたしかりで
ある。でもだからこそ、僕はたくさんの人の前でやりたいし、読者の方もたくさん欲しい。
それはそういう方が、果たして何パーセントいて下さるのか、僕の実力では
まだ自信が無いからだ。
前置きが長くなってしまったが、本題に入ろう。今回はまたまた予定変更である
(まあ自分が本当に書きたい事を書いて行かないと、いい物は書けないと思うので、
悪しからずご了承下さい)。
なお今回は長いので、上下に分けさせてもらう。悪しからず。
ご存知の通り、僕は歌うたいと兼業の医者だ。だから専業の医者の方よりは、
はっきり言って藪医者だ。
ところが本当はこんな事は言いたくはないのだが、世の中にはこんな藪医者の僕から
見ても、「どうもねえ...」と言いたくなる、藪にもなれない「竹医者」たちが
ゴマンといる。不勉強な医者、勉強しているのかも知れないがそれを実際の診療に
生かす気がないとしか思えないプロ意識のかけらもない医者、他の科の医者なのに
、「内科なんて手術も何もせんと薬を出すだけやしわしにも出来るわい」と勘違い
している医者、金儲けのことしか頭にない白衣の商人たち...。
そして悲しいことに、患者さんの圧倒的大多数は医学の素人さんだし、こういう
竹医者どもに限ってまた愛想だけはいいので、患者さんはだまされて竹医者どもが
よく流行る。そして竹医者どもの間違ったやり方が、当たり前だと思い込んでいる
患者さんたちが大量生産され、ちゃんと勉強もしていればやる気もある有為の
医者たちが、そういう患者さんによってどんどんスポイルされて、竹医者に
なっていく。そして...(以下略)という悪循環が、今の医療界の現状だ。
実に嘆かわしい事である。
しかし嘆いてばかりはいられない。何とかせねばならない。そのためにはまず
患者さんに、竹医者を見抜く目を持って頂かねばならない。
えっ?「素人の俺たちに、そんな事が出来ると思っとるんか」って?
出来るんである。このメルマを読んで下さる皆様にだけ、竹医者から身を守る
とっておきの武器をプレゼントしよう。名づけて、
「あなたの主治医・迷医度チェック(内科編)」だ。
早速なさって頂きたい(「内科編」とは言ったが、僕は内科医なので、外科編や
小児科編が続くわけではない。悪しからず)。なお理由についてはいちいち全部
書いている時間とスペースはないが、あなたの主治医に当てはまる項目が有れば
メールでお問い合わせ頂きたい。ではスタート!
1.初診編
◇いろいろな科の名前を出しているのに医者は一人
◇挨拶しない
◇最初から態度がデカい(いわゆる「横柄」)
◇明らかに年下なのに敬語を使わない(いわゆる「タメ口」)
(まあこの3つは、医者としての優劣以前の問題だろう)
◇あなたの話を聞かない。聞いてもカルテに書かない(ただしあなたが病気と
関係ない話をしていたり、同じ事を繰り返しているなら別)
◇逆に質問してこない
◇冬でも手や聴診器を温めない
◇診察室が寒い(病院の医者は別)
◇あなたの顔を一度も見ずに薬や注射を出す(こういうのはただの薬屋さん、
「注射屋さん」である)
◇体(含むお腹、足)を一度も診察しようとしない
◇胸に聴診器を当てているとき、あなたがしゃべっても涼しい顔をしている
(その聴診器はナマクラと思っていい)
◇血圧を測るとき、袖をまくり上げさせる(値が狂う!)
◇いきなり胸から診察を始め、目や首を診ない
◇あなたのお話中、第三者が割り込んでも何も言わない(問診という真剣勝負に、
その程度のテンションで臨んでいるという事だ。もちろん聖徳太子並みに、同時に
二人の言うことを聞き分けられるなら話は別だが...)
◇診察のあと、考えられる病名(少なくとも異常が考えられる臓器名)を言わない
◇薬の種類、検査の内容について説明しない
◇あなたの質問にちゃんと答えない(ただし的外れな質問や、同じ質問の
繰り返しは別)
◇他の医者からの紹介状に返事を書かない
2.再診編
◇「体がしんどい」と言うと、原因も調べずすぐに注射や点滴をしたり、
ビタミン剤を出す(あなたがリクエストした場合は別)
◇検査が異様に多いのに、結果説明が異様に少ない
◇診察や検査が全然ないのに、点滴や注射がいつまでも続いている
◇あなたが明らかに専門外の訴えをしても、なかなか専門医に紹介しない
◇症状がよくならないのに、なかなかもっと大きな医療機関に紹介しない
3.急性病編
◇風邪で薬を4日以上出す。3日以下でも診察なしで追加する(ただしあなたが
リクエストした場合は別。以下同)
◇ただの風邪で、食事や水分も取れているのに、すぐ注射や点滴をする
◇乳幼児や老人の方、心臓や肺の病気がある方の風邪でも、抗生物質
(ばい菌を殺す薬)を出さない
◇同じ抗生物質を8日以上出す
◇風邪で薬や注射や点滴が出て、一見すぐにケロリと直ったように見える
C慢性病編
◇2ヶ月以上診察がないのに薬だけ出ている(あなたがリクエストした場合は別、
以下同)
◇高血圧なのに血圧をめったに測らない
◇高血圧なのにレントゲンや心電図、採血や検尿をしたことがない
◇高コレステロール血症((以下「高脂血症」)や糖尿病、痛風や高尿酸血症、
腎臓病なのに、血圧をめったに測らない
◇これらの病気なのに、採血をめったにしない
◇慢性肝炎や胆石なのに、エコーをした事がない
◇慢性肝炎や貧血、甲状腺機能亢進症(「バセドウ病」とも言う)や低下症なのに、
採血をめったにしない
◇胃や十二指腸の潰瘍なのに、胃の検査をめったにしない
(以上、こういうのは診ているとは言えない。ただしあなたが拒否している場合は
当然別である)
このあたりで「下」に続くことにさせてもらう。バイトの当直に行かねば
ならぬので。あまり長すぎるのもなんだし。というわけで、次号をお楽しみに。
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は
hide@helio-trope.com
までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、
http://heliotrope.s9.xrea.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。