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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.15. あなたの主治医をやる気にさせる法・初診編(その6)
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こんにちは。Hideです。
まずはお知らせ。一つ目だが、メルマをやっていらっしゃる方、相互宣伝しましょう。
hide@helio-trope.com
まで乞うご連絡。
もう一つ。僕のプロデュースの日系ブラジル人ボサノヴァシンガー・
「ジョアン成原」の11月2日(土曜日)ライヴだが、詳細を僕のHP
http://heliotrope.s9.xrea.com/
に書いたので、「ライヴ速報」のページを乞うご高覧。ジョアン成原の
自己紹介文は、「ジョアン成原について」を乞うご参照。
次にお詫びと訂正だ。
一つ目は邦子さんからのお便りの件だが、不勉強で全角の数字が文字化けするのかと
思っていた。すみませんでした。MACユーザーの皆さんのため、今後は丸付き数字は
極力使わない事に致しますので、今まで使った分はご容赦下さい。
もう一つは、Vol.13でアンケートをお寄せ下さった方々へのお礼を忘れてしまった。
すみません。そしてどうも有り難うございます。とても励みになります。
さて本題だが、その前に3.問診編で一つ大事な事を言い忘れていた。
◇「○○が『××してもらえ』と言っていた」は禁句!(それならその○○さんに
診てもらえばいいのである。「○○」には、今まで僕が出っくわした例では、
「主人」とか、「親方」なんてのも有った)
僕が3.問診編で言いたかった事は、一言で言うと、
「医者に必要なのは、客観的事実のみである(患者さんや第三者の方の解釈は
必要ない)」
という事だ。これは、問診編の「中原則」の、
「訊かれた事は過不足なく言う、
訊かれていない事は言わない」
の言い替えでもある。必要な事は医者はちゃんと聞き足すので、心配しなくていい
(但しあなたが病気と関係有る事無い事とりまぜて延々としゃべりまくって、医者を
うんざりさせた場合は別だが)。
科学者は、物を言うときは客観性を重んじる(医者も科学者の端くれだ(かなり
うさん臭い科学者ではあるが))。もちろん客観的事実の後には自分の解釈を言うが。
だから患者さんの事を他の医者に知らせるときには、少なくともまともな医者は、
出来るだけ客観的な表現を使う。例えばレントゲン等のフイルムであれば、
「異常所見を認めない(あるかどうかは別として、その医者に見えないのは
客観的事実だ)」、検査データであれば、「正常範囲内である」というように。
(余談:僕の大学の医局の後輩で、これらフイルムやデータについて、「問題
ありません」という表現を連発していたのがいたが、こういうのはダメだ。しかも
指摘されても「考えておきます」みたいな事を言っていたから、もう救いようがない)
そういうわけで、特に忙しい外来では、医者の思考過程に出来るだけ合わせて
頂ければ.....と思う。
話はもう一つそれるが、外来が忙しいかどうか知る方法をお教えしよう。
1.待ち合い室が混んでいれば、大体忙しい。
2.診察場の机に、カルテがたくさん積み上がっていれば忙しい。
これは再診編をもし出す事が有れば言おうと思っていたのだが、かいつまんで
言おう。開業医では、ある程度以上の回数診察して、お互いうちとけて来れば
医者との雑談も大切だ。だからと言って、あまり忙しい時に雑談を持ちかけられても
困る。上の1.や2.のようなときは遠慮しよう。
(余談2.例の某政党系の病院に、消化器内科の医者で、患者さんと雑談したり
要らない薬を出したりとかで、患者さんの人気取りをしていた「竹医者」がいた
(「竹医者」の意味が分からない方は、このメルマのVol.3とVol.4が僕のHPで
読めるので、
http://heliotrope.s9.xrea.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」のVol.3とVol.4を乞うご高覧)。この医者は
なかなかトンデモな奴で、耐糖能異常(いわば「糖尿病予備軍」)のフォローの
仕方を知らなかったり、甲状腺機能検査の読み方も知らなかったり、挙句の果ては
消化器内科医のくせに肝硬変を見逃して、患者さんの肝癌を手遅れにして
殺したりと、まさに医者の面汚しもいい所だった。僕はこのクズ医者が辞めた後の
外来を引き継いだのだが、もう説明もハチャメチャの荒野状態で、実に
やりにくかった。病院の医者のくせに、開業医の真似をして雑談にうつつを抜かし、
医者本来の仕事を忘れるとこういう事になる。今頃どうしているだろうか。
相変わらず患者さんを殺しているのだろうか。
ちなみに以前言った大バカ上司などは、この医者を持ち上げて僕をこき下ろして
いたのだから笑止の極みだ。こんな病院が未だにつぶれずに、続いている事自体
不思議だ(まあそういうレベルの患者さんに支えられているのだろう。「蓼食う虫も
何とやら」)。)
さてお約束通り、4.診察(身体所見)編の続きだ。今回はおなかの診察からだ。
今回から読まれる方もいらっしゃるだろうから、もう一度言っておこう。4.診察
(身体所見)編の「中原則(そんな言葉は無いか?)」は、
「言われた事は言われた通りする、
言われていない事はしない」
と言う事だ。では各論。
◇おなかの診察のときは(以下略)、ベッドに仰向けになる(仰向けという言葉を
知らない人が時々いるから困る。まあネットをされるような方には関係ない話
だろうが)
◇ベルトをゆるめファスナーを開け、おなか全体が見えるようにする(ちゃんと
下の方も見ないと、盲腸も含め腸のことが分からない)
◇腕は横に置き、膝は立てよう(つまり足は曲げるという事だ。ちなみに足を
立ててもらった後、「手を横に置いて下さい」と言うと、頼みもしないのに
せっかく曲げた足をまた伸ばして下さる方がいらっしゃるが、どうか止めて
欲しい。「細かい事を...」とおっしゃるかも知れぬが、前回も言った通り忙しい
外来でこういう分かっていない患者さんが何人か続くと、疲れがドドッと出てしまう)
この後医者はおなかを押さえ、「痛くありませんか?」とか訊いて来るはずだ。
そこで、
◇押さえた所が痛いか痛くないかだけ言おう(押さえないときにどこが痛いとか、
押さえたときに他の所が痛いとか、気持ち悪いとか、そういう余計な事は言わなくて
いい。「細かい事を...」とおっしゃるかも知れぬが、(以下同))
次に息を吸い込んで、おなかをふくらませるように言って来るはずだ。だから、
◇言われた通り、息を吸い込んで、おなかをしっかりふくらませる。
後は足を診察するはずだ(少なくとも僕はそうしている)。
医者や訴えによっては、この後神経系の診察もする事が有る。「中原則」の通りに
して下さい。
以上で4.診察(身体所見)編はおしまい。次回からは最終編の、5.説明編だ。
21日は休ませてもらうので、14日で出来るだけ終わらせたいがどうなる事
やら.....。
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は
hide@helio-trope.com
までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)
デワマタ。