(註:このページでは、敬称は適当に略しました。)

 

こんにちは。'01年の8月、大阪は松原市のライヴハウス "Liestick" で、Hideさんのプロデュースで日本のライヴハウスでデビューさせて頂きました、ボサノヴァシンガーのジョアン成原です。

僕は日系三世のブラジル人です。皆さんはブラジルと聞いて、何を思い出されるでしょうか。サンバとリオのカーニバル、サッカー、コーヒー、音楽をされる方ならコパカパーナ海岸とか...、そんなところでしょうかね。もちろんそれらもブラジルですが、僕のやっているボサノヴァという音楽も、僕はブラジルの大切な部分だと思っています。

ボサノヴァについて話すなら、やはりジョアン・ジルベルトの事から話さないわけには行かないでしょう(僕と同じファーストネームですね)。この人が1950年代に、ボサノヴァのギターのリズムパターンを編み出しました(「バチーダ」と言います)。ですからジョアンがいなければ、ボサノヴァは無かったかも知れませんね。今でもこの人は、ボサノヴァミュージシャンやファンの間ではカリスマ的な存在で、「ボサノヴァの法王」と呼ばれています。現在は隠遁生活をしていて、コンサートを余りしないのが残念でしたが、’03年の9月には初の来日公演、さらに再びの来日公演をやりました。

でもジョアンがいなければボサノヴァは無かったでしょうけども、もう一人の巨人、ブラジルの国民的英雄がいなければ、ボサノヴァはここまでメジャーになっていたかどうか分かりませんね。その人の名は、アントニオ・カルロス・ジョビンと言います。この人が作った曲「イパネマの娘」は、ジョアン達と一緒の演奏が1963年に世界中で大ヒットし、ボサノヴァは世界へと広がって行きました。ちなみに昔「イグアナの娘」というドラマが、川島なおみさんと菅野美穂さんの主演でありましたが、あれは絶対「イパネマの娘」のパロディーでしょうね。

ジョビンの曲は、ビートルズよりたくさん世界中でレコードを売っているそうですので、彼は文句なしに、ポピュラー音楽史上最高の作曲家の一人でしょう。「イパネマの娘」はボサノヴァ史上はもちろんの事、ポピュラー音楽全体の史上に残る大名曲ですが、その他にも「ウエイヴ」、「コルコヴァード」、「ワンノートサンバ」、「デサフィナード」、「ノーモア・ブルース」など、数々の名曲を書いています。ボサノヴァの名曲と言うと、ほとんど9割方ジョビンの曲になってしまいます。

僕の本国では、残念ながらボサノヴァは下火ですが、日本には小野リサさんの大活躍とかもありまして、Hideさんを始めとして(?)たくさんのボサノヴァファンの方々が、いらっしゃるとうかがっております。デビューライヴでは、皆様もご存知の曲を、どんどんボサノヴァにアレンジしてやらせて頂きました。もちろんボサノヴァの名曲も、演奏させて頂きました。僕のつたない歌と演奏で、皆様にボサノヴァの素晴らしさをお伝え出来ましたかどうか不安ですが、このような素晴らしい機会を与えて下さったHideさんとHeliotropeの皆さん、Liestickのスタッフの皆さん、そして何と言いましてもお忙しい中、またまるで真夏のブラジルのような暑さの中、聴きにいらして下さったお客様、誠に有難うございました。

デビューライヴの曲目は、以下の通りでした。

1.And I Love Her (The Beatles)
2.真夏のサンタクロース(渡辺美里)
3.Memories (Hide)
4.駅(竹内まりや)
5.星降る夜に(大塚純子)
6.Overjoyed (Anna Caram)
7.Garota de Ipanema (A.C.Jobin)

Encore: Corcovado(A.C.Jobin)

その後のライヴの事は、「ライヴレポート」のページをご参照下さい。

それではまたいずれ、お会いしましょう。