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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.61. ジョビンの愛した歌達(ボサノヴァ講座・上級編その1)
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こんにちは。Hideです。


まずは前回のアンケート。captainUME さんからは、

> 医者嫌いになって久しいがDr.HIDEはNice! 痛快です。

とのメッセージを頂いた。どうも有り難う。

しかし他の医者がお嫌いなのに(その中には僕よりは優秀な医者や、愛想のいい医者も
いたでしょうに)、僕のような言いたい放題の、歌うたいと兼業のヤブ医者がお好きとは、
あなたも奇特な方ですね。まあこれも何かの縁でしょうから、もし不幸にして
内科の病気になられたら、僕のクリニックにいらして下さい(その場合は、
ご本名とご住所をお教え下さいね)。


ゴルフはどうも、ここ10ヶ月ほど伸び悩んでいる。結局確率(「ナイスショット率」
とでも言うべきか)が、まだまだ低いからだ。それは自分でも分かっている。
まあ練習しかないのだろう。

とは言っても、実際に球を打つのは週1回が限界なので、せめてウオーキングは、
出来るだけ週2回するようにしている。息が切れたら、まともなショットは出ないので。

思えばゴルフを始めたのは、'95年の事だった。当時僕は、あるどうしようもない病院に
いた(「K病院」の事だ。僕のHP

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」のVol.484951を乞うご高覧)。
ここの理事長が、「(薬屋さんの)接待ゴルフがある。お前も来い」と言ったので、
始めたわけである。

結局理事長と一緒にラウンドする事はなかったが(したくもないが)、
ゴルフは現在に至るまで続けている。

ゴルフを始めなければ、ラウンド中息が切れて、愕然とする事もなかっただろう。
そして、一念発起してウオーキングを始める事もなかっただろう。その結果、
50代くらいで心筋梗塞か脳卒中でも起こして、死んでいたかもしれない。

どこかの偉い先生が言っている。「『運動する時間がない』と言っている人は、
結局は病気のためにその時間を失う事になるだろう」と。

別の先生も言っていた。「運動を丸薬にする事がもし出来れば、最高の薬になるだろう」
と(僕も高脂血症と、高尿酸血症を持っている)。

だから今では、ゴルフを始めて本当によかったと思っている。そしてそういう意味では、
K病院に在籍してよかったと思っている。

ちなみに今の病院に来るまでは、K病院は大学を除けば、常勤として一番長く在籍した
病院だった。1年と7ヶ月いた。

今の病院は、1年9ヶ月になろうとしている。それだけもった理由はいろいろあるが、
最大の理由は以前にも言った通り、主治医権の侵害がほとんど無いからだ。
また患者さんの理不尽なクレームが、ほとんど伝わらないからだ(K病院も初めは
それに近かったのだが、だんだん僕の権限が切り崩されて行った。ルールで
がんじがらめにされたアリ戦の時の猪木や、外堀・内堀埋められて、裸同然にされた
夏の陣前の大阪城のようなものだ)。

出来れば完全開業まで、もてばいいのだが。


話が今の病院に来たところで、久しぶりにいい知らせがあった。健康増進法とやらで
外来の待合室が、9月1日から禁煙になるらしい。それと腹部エコーが、
新しい常勤の先生が入ってくれたおかげで、週2回になった。

ただこれらは当たり前の事で、やっと他の病院並みになっただけだが(あるいはまだ
なっていないかも知れぬ)。これを「いい知らせ」と呼ばねばならぬのは、
情けない事だろう。

まあこれで、少しは患者さんの層も変わってくれる──医療や病院の何たるかが
分かっていない患者さんが、一人でもよそへ逃げてくれて、その分分かっている
患者さんが、一人でも増えてくれる──事を期待したい。

ただあえて難を言わせてもらえれば、まず禁煙だが、一つには9月1日というのは
のんびりし過ぎている。やるなら即刻やるべきだ。「善は急げ」と言うではないか。

もう一つには、外来の待合室だけと言わず、この際食堂も医局も、病棟のエレベーター前の
溜まり場も含めて、全館禁煙にして欲しいものだ。

何しろ労働安全衛生法では、事業主は従業員に、快適な労働環境を提供せねばならぬと
定められているのだから(これは努力目標ではなく、義務規定である!)。

タバコの害を知らない素人さんが、他人に副流煙を吸わすのはまだ許せない事もないが
(本当は許したくないが)、医者のくせして他人が居合わせた閉鎖空間で、タバコを吸う
ボケナスは、懲役刑に処したくなる(僕が金正日やサダム・フセインなら、確実に
そうしているだろう)。

次にエコーだが、一つは医者がエコーをやるのはナンセンスだ。教育病院ではないのだし、
コストを考えて技師さんにやらせるべきだ(出来る技師さんがいないのなら、他から
スカウトしてくるべきだ)。ただでさえ経営が左前なのだから。

コスト意識のない経営者は、辞表を書くべきだ。

それと心エコーは、確か未だ週1回のままだ。これも救急をやっている総合病院としては、
ナンセンスきわまりない。


不愉快になってきたので、本題に入ろう。一部の読者の方はお待ちかねの、
ボサノヴァ講座・上級編を、いよいよスタートする。

本当は上級編の受講対象になるくらいのレヴェルの方なら、もう自分の音楽は
自分で探せるとは思うのだが、出来るだけ今まで紹介してないアーティストの
アルバムの中から、今まで僕が聴いてよかったと思うのを、紹介して行こう。

記念すべき第1回は、このアルバムだ。

私のジョビン/マウーシャ(Venus records)

マウーシャという人は、ご多分に漏れずブラジル人だ。リオデジャネイロ生まれと
いう事である。

15歳からプロのシンガーとして活動を始め、1984年からジョビンの死まで
(ジョビンについては、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、Vol.34. ボサノヴァ講座・入門編
(完全版)
を乞うご高覧)、彼のグループ、バンダ・ノーヴァのメンバーとして
活動していたそうだ。

つまり彼女は、ジョビンの愛弟子の一人という事になるだろう。このアルバムの
原題、"Songs I Learned From Jobim" とは、「私がジョビンから習った歌達」という
意味である。

きっと彼女は音楽だけでなく、人生観とかいろいろな物の見方をも、
この偉大なる音楽人から学んだのだろう。何だかとても、うらやましい気がする。

彼女の声はハスキーで低いが、それがまたいい感じだ。決して師匠の七光りになっては
いない。ナラ・レオンよりは、どちらかと言うとワンダ・サー系の声だ(

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、Vol.34. ボサノヴァ講座・入門編
(完全版)
を乞うご高覧)。落ち着いてしっとりとしている。

曲としては、"There will never be another you" と、 "Ceu e mar" がイチ押しだ。
前者はナラ・レオンが確か「ギター一つの部屋で」というアルバムで、そして後者は
ジョイス(

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、Vol.53. ボサノヴァ講座・中級編
(完全版)
を乞うご高覧)が、新譜「ボッサ・デュエッツ」でもやっているのが面白い。
どちらもいいアルバムなので、聴き比べてみられる事をお勧めする。


次回もボサノヴァ講座・上級編は続く。乞うご期待。




最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想、ご質問等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとくどいようだが、このメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。