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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.77. 渡る世間はバカばかり(その1)
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こんにちは。Hideです。
まずは前回のアンケートにご協力下さった方々、どうも有り難う。
それと皆さん、この1ヶ月間解除せずに、レギュラー刊を待っていて下さって、
本当に有り難う。
1ヶ月の間いろいろあった。病院の方では、人工呼吸器をつけていた患者さんがお二人と、
もう一人重症の方が亡くなられた。年末から、元日も診に行って診療していた方々だけに、
残念だ。
患者さんが亡くなった時、僕はまず黙祷する。それから心の中でいつも、「○○さん、
あの世でまた会おうぜ」と言うのだ。そして気を取り直して、まだ生きていらっしゃる
患者さんの診療に向かうのだ。多分それが、平均的な医者だろう。
もう一つ、どうやら集中治療室の婦長だけはまともだが、他の婦長は(少なくとも、
内科と関係のあるところのは)みんな病気だと分かった(「今さらそんな事に
気がついたのか」と言われそうだが)。
外来の婦長が分裂病なのは、以前言った通りだが(僕のHP
http://www.helio-trope.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」の、「Vol.69. コンニチハ、ヨコハマ!
(ボサノヴァ講座・特別編その1 )」を乞うご高覧)、これまた以前言った、
内科病棟の婦長の悪い病気が、また再発したようだ。
こちらについては、「メールマガジンバックナンバー」の、「Vol.49. 医療への
株式会社参入考(その2)」をご高覧頂きたいが、かいつまんで言っておくと、
「指示は3時までにしろ」とか夢物語をぬかして来て、「とても無理。院長か事務長に
僕の仕事をもっと減らすように言ってくれ」と答えると、あろうことか逆ギレして、
「そんなもんはアンタが自分で言え」みたいな事をほざき出した件だ。
「言われるまでもなく、事務長には口をすっぱくして言っている」と答えておいたが。
その後、こやつには人の話をまともに聞く事が出来ないようで、ただアホの一つ覚えの
ようにキレまくるだけなので、ついに僕のワイヤーロープのような(この場合に
ついてだけは本当だ)堪忍袋の緒も切れて、「○階病棟からは手を引かせてもらう」と、
はっきり言わせてもらった。
次の勤務日に出勤すると、誰から何を言われたのか、人が変わったようにしおらしくは
なっていたが、どうやらそれは単なる方便だったらしい。
この間からきゃつは、「指示は3時までにしろ」と、目ざわりな張り紙を病棟に
しくさり、「ああ、また悪い病気の前兆が始まったか。しかしまあ、夢を語って
メシが食えるんだから、結構なご身分だな」と思いつつ、ちょうどクソ張り紙が
シャウカステン(レントゲンフィルムを見るための、蛍光灯つきの箱)の上にあったので、
なるべく大きい冊子とかをそこに置いて、バカ張り紙を隠していた。
で、おととい午前診が忙しくて、1時頃までかかった。昼食を済ませて、集中治療室で
人工呼吸器につないでいた患者さんを、呼吸器から離脱させたので、これに1時間以上
かかった。他にも患者さんのご家族への説明が何件かあり、おかげで例のゴミクズ婦長の
いる方の病棟まで手が回らず(あとで触れるが、内科病棟はもう一つあり、そこの方が
比較的重症の患者さんが多いので先に回した)、数人回診が残ったまま、夜診に出ざるを
得なくなった。
で、僕が全然患者さんの途切れない、忙しい外来をやっていると、外来の看護婦さんが
(ちなみにこの人は、若くてチャーミングだ。これ余談)、クサレ婦長からの電話を
受けた。いつ回診を再開するのかという事らしい。その時は看護婦さんが適当に
さばいてくれたが、もう少しすると、またまたしつこくかけて来た。
どうやら僕が出ないとおさまらないらしい。
そういうわけで、待っていらっしゃる患者さんの事を気にしつつも、しぶしぶ
電話に出ると、しょっぱなから「指示が十数人残っている」と、大ウソをかましやがった。
患者さんが8人くらいしかいないのに、しかもうち何人かはもうさばいたのに、
そんなにいるわけがない。これは精神医学で言う、「顕示型精神病質者」のうちの
「虚言型」だ。顕示型精神病質者は、「子供っぽく、わがままで、空想性が強く、
判断も軽率である」と、精神医学の本にはある。まさにその通りだ。
大ウソを否定すると、「いつ回診を再開するのか?」とやはりしつこく訊いて来た。
「今外来中なので、患者さんが途切れないと上がれない」と言うと、「何時頃
上がれるのか」と来る。「だからそれは分からない。患者さんが途切れた時としか
言いようがない」と答えると、「じゃあ入院はほったらかしという事やね」と
捨てゼリフを残して、電話を切りくさった。
まあこの顕示型精神病質婦長(長ったらしいので、以下「虚言癖婦長」としよう)は、
外来の比較的まともな看護婦さんに訊くと、いろいろな所でひんしゅくを
買いまくっているらしい。さもありなんだ。
ちなみに、例の外来の分裂病婦長もその話に加わり、虚言癖婦長の悪口を言っていた。
まさに「目クソ鼻クソを笑う」を、地で行っていたのはお笑いだった。まあ僕も
大人だから、笑いをかみ殺しつつ、適当に調子を合わせてはおいたが。
かのキリストさんも、「人間には他人の目の中のチリは見えても、自分の目の中の
梁(はり)は見えない」とおっしゃったと、新約聖書には書いているが、
まさにその通りだ(と言うか、病気だからしょうがないのかも知れない)。
まあ他山の石としよう。
えっ?「じゃあ、もう一つの内科病棟の婦長はどうなんだ」って?
まあその話は、長くなってきたので次回にしよう。
25日と来月1日はゴルフなので、次回は遅くても、来月7日には出したい。悪しからず。
そして、乞うご期待(しかしいつになったら、ボサノヴァ講座・特別編を再開
出来るのだろう...。そして、医療行政ネタをやれるのだろう...。
まあぼちぼち行こう)。
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想、ご質問等は
hide@helio-trope.com
までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)
それとくどいようだが、このメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、
http://www.helio-trope.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。