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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.44. 第二次湾岸戦争考
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こんにちは。Hideです。


僕のグループ "Heliotrope" は、昨日やっと2曲レコーディングを終了した。
"The Torch Song" のヴォーカルも入れ直した。ギターも入れ直して、
おまけに僕が下手なシンセサイザーも弾いて、ドラムとベース以外は
ほとんど総入れ替えした。

出来ればフルアルバムが作れるくらい、曲をたくさんレコーディングしたいのだが、
11月くらいにはまたライヴをやりたいので、ハーフアルバムや悪くすると、
シングルで妥協する事になるかも知れぬ。


さて病院の方だが、どうもこのところ、「入院依存症」の患者さんが多い。
つまり全然ないしほとんど入院の必要が無いのに、「退院しましょう」と言っても
頑として首を縦に振らない人のことだ。困ったものだ。

ある人などは、「暖かくなるまで置いてほしい」と言っていて、むげに断わるのも
なんだからと昨日までずるずる来たが、昨日退院を勧めると、何と「まだ寒い」と来た。
4月でもまだ寒いのなら、もう沖縄に移住するしかなかろう。

とにかく病院というのは、ろくな所ではない。他の患者さんから病気はもらいかねぬし、
ベッドは高く出来ているから、転落してケガはしかねないし、寝てばかりいると
足なえはするし、ろくな事はない。病院なんて所は、あくまで「仮住まい」と
考えるべきだろう。


話は二転するが、実は僕は非常に拍子抜けしているのだ。

というのは、前回いわゆる「イラク戦争」(僕は「第二次湾岸戦争」と呼ばせてもらう。
というのは、第一次がなければ第二次もなかったからだ)について僕が書いたことで、
絶対平和主義の方々から非難の嵐かと身構えていたのだが、メールはおろか
アンケートの「良くなかった」票も来なかったからだ。

誤解のないように言っておくが、僕はアメリカが100%正義だなどとは、
毛頭思ってはいない。

もともと100%の正義、100%の悪などという物は、現実の世界には存在しない
(まあマザー・テレサみたいな人は例外かも知れぬが)。有るとすれば、
それは子供のアニメや漫画の中だけだ(そこへ行くと、「機動戦士ガンダム」とかは、
子供のアニメではないと言える)。

アメリカだって、大量破壊兵器を使用した事はある。ベトナムにおいて、
そしてここ日本において(枯れ葉剤や原爆を思い出して欲しい)。

(話はそれるが、フランスも大量破壊兵器で──ムルロア環礁の核実験で──
太平洋を汚した。だから僕は、現在に至るまでフランスワインはボイコット中だ。
僕はエコロジストでもあるので。)

話を戻そう。さらに言えば、アメリカは自国の兵士を、原爆の被害の実験台に
した事さえある。

しかしアメリカは、少なくとも自国の非戦闘員(や同盟国人)に、
大量破壊兵器を使った事は僕の知る限りない。その点はイラクよりはましだろう。


ところで僕が不思議に思うのは、僕は結構新聞も読めばTVのニュースも見ているのだが
(地上波はイラクの事を全然やっていない時が多い。本当に、スカイパーフェクTVを
引いていてよかった)、肝腎のクウエートの人達の声が、全くと言っていいほど
聞こえて来ない事だ。

僕は、戦争は二つに分けて考えねばならないと思っている。その二つを混同した議論は、
無益どころか有害でさえある。

それは、侵略戦争と自衛戦争だ。

侵略戦争は絶対悪であり、かつ不必要悪だ。

しかし自衛戦争は、独立国家にとっては必要悪である。また義務でもある。

何故なら国家の存在理由は、国民の生命と財産を守る事なのだから。
自衛戦争が出来ない国家に、存在理由は無いと言っても過言ではなかろう。

だから僕は、絶対平和主義には与しない。そして前回も言った通り、
憲法第九条は改正すべきだと思う。

ちなみに評論家の小室直樹さんは、著書「日本国憲法の問題点」(集英社
インターナショナル)で、第九条で放棄しているのは、あくまでアメリカに対する
復讐戦争のみだだとする理論を展開しておられる。それはそれで立派に
一理ある議論だが、やはり誰にでも分かるように、第九条は改正した方が
よかろう。


さて第二次湾岸戦争は、アメリカにとっては侵略戦争なのだろうか。
それとも自衛戦争なのだろうか。

これには、議論の余地はあるだろう。

それでは、クウエートにとってはどうだろうか。

結論から言えば、僕はほとんど自衛戦争だと思うのだ。

ここで一つ、クウエートの人達の立場に立って考えてみよう。

僕らの隣には──海も隔てておらず、陸続きだ──、独裁者が統治する国家がある。
この国は、12年前に僕らの国を侵略して来た事がある。アメリカを中心とした多国籍軍が、
この国を追い出したが、その時の約束である大量破壊兵器の廃棄を、未だに行っていない
(このあたり、どこかの国を思い出す)。しかもこの独裁者は、丸腰の自国民に
大量破壊兵器を使った事がある。また宣戦布告も無しで、僕らと反対側の国にミサイルを
撃ち込んだ事もある。

これで、枕を高くして眠れるだろうか?!

抗議のお便り、お待ちしています。


ボサノヴァの話を、する時間がなくなってしまった。というわけで次回以降に。悪しからず。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。抗議のお便り以外にも、ご意見、ご感想等は

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