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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.43. 甘く至福な香り(ボサノヴァ講座中級編・その6)
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こんにちは。Hideです。


まずはとしさんから、

>今年の花粉も凄いですね。ご自愛下さい。

と励ましのお便りを頂いた。どうも有り難う。おかげさんで、何とかしのいでます。

それとやっと肉離れが完治した。とは言っても、階段を上がると少し痛みはあるが。
久しぶりにゴルフのお稽古に行くと、やはり息切れしてしまった。
まあせいぜいウオーキングをしよう。


さて前回時間が無くて出来なかった、前々回の補足をしよう。


まず前々回の、「海の向こうのアメリカ」というタイトルは、ハウントドッグの
大友康平さんの、「星の向こうのアメリカ」(集英社文庫)という本のパロディだ。

この本には、僕らヴォーカリストは勿論のこと、おそらくあらゆるジャンルの
表現をやる者にとって、貴重なアドヴァイスの数々が詰まっている。

それだけでなくこの本を読んでいると、大友さんという人の優しさ、暖かさ、
そして人間の大きさが、僕のような鈍い者にもいやおう無しに伝わって来る。

僕が好きなところの一つを、少し長いが引用しておこう
(ちなみに島原の、火山の噴火の時の話だ)。

頼むぜ、カメラ。しっかり俺の歌を島原に届けてくれよ。こういう時のために
テレビというメディアがあるのだし、俺たちが歌う意義があるのだ。

俺たちは、いつも明日を生き抜く勇気を歌ってきた。ワンパターンだ、と陰口をたたく
奴らも大勢いる。言いたい奴には言わせておけばいい。俺たちだって、自分たちの歌が
人に対してそれほど影響力があるとは思っていない。ただ、人が苦しんで悩んでいる時、
脳裏の片隅に俺たちのメッセージが少しでも残っていてくれれば、満足なんだ。
(引用終わり)

ちなみに大友さんの叔父さんは作家だそうだ。やはり血筋なのだろう。
全編これ、実に力のある文章だ。是非とも皆さんにも、ご高覧頂きたい。


もう一つ補足。ダイアン・シューアとジョイスの "Speak Low" はどちらが先かという
話だが、どうやら前者のようである。実は資料が手元に無かったので、前々回は皆さんに
訊いたのだが、やはり自分で調べねばならぬという事だろう(このメルマはクリニックで
書いているが、ダイアンも含めてCDの大多数は自宅に置いている)。

ただしシンガーソングライターが誰かという事はまだ分からない。
くどいようだがご存知の方は、

hide@helio-trope.com

まで教えて下さい。


話は二転するが、ついにイラクで、戦争(以下「第二次湾岸戦争」と呼ぶ)が
始まってしまった。

この戦争については、いろんな人がいろんな事を言っていて、
どれも結構もっともらしく聞こえる。

ただジャーナリストの落合信彦さんも言っていたが、大量破壊兵器はどこの国でも
持ってはいるが、イラクが恐ろしいのはそれを実際に使った事が有る事
(自国民に対してさえも)、そして彼ら──フセインとその信奉者たち──は、
今日の新聞にも載っていた通り、宗派が違えば丸腰の自国民にさえも銃を向ける事は、
忘れてはならないだろう。

僕は戦争を積極的に肯定はしない。しかし第二次湾岸戦争は、やはり止むを得ないと思う。

と言うのは、第一次湾岸戦争はあくまで条件付きの──イラクが大量破壊兵器を
廃棄するという──「停戦」であり、「終戦」ではないのだから。そしてその条件は、
果たされる事が無かったのだから。

もう一つ言えば、第一次湾岸戦争はイラクのクウエート侵略が発端なのだから。

ちなみに僕は、憲法第九条はやはり改正すべきだと思う。一朝有事の際には
命を賭けて戦って下さる(はずの)自衛隊員の皆様を、この国はいつまで
日陰者にしておく気なのだろうか(まあこの話は、またいずれゆっくりしたい)。


それでは、ボサノヴァ講座中級編の続きだ。

今回のジョイスのアルバムを紹介しよう(ただし国内盤はネタ切れなので、
輸入盤編に入る。悪しからず)。

Music Inside (PolyGram Records)

というアルバムが有る。

僕はこれを、確かなんば花月の近くの量販店で買った
(ちなみにこの店は、今はもうつぶれている)。

堺東に、"Crap" というライヴハウスがある。昔僕は、その頃のギターの相棒と二人で、
この店で演っていた。

ここに出入りしていた女性ヴォーカリストに、ボサに詳しい人がいて、僕が相棒と
このアルバムから、"Esseitial" という曲を取り上げてやっていたので、
このアルバムが手に入れにくい話をしたのだが、その人は入手出来ると言っていた。
よろしければ皆さん、探してみて下さい。

このアルバムは、英語圏のマーケットを意識してか、英語の曲が多い。
ビートルズの "Help" とかもカヴァーしているが、僕が好きなのはやはり
"Esseitial" だ。

何がいいかと言って、もう全ていい。曲もいいしアレンジもいいし、歌ももちろんいい。
そして何よりも、詞がすごくセクシーでいい。

僕のつたない訳で恐縮だが、ここに紹介しておく(多少意訳したので悪しからず)。

私のルームナンバーを訊かないで
帰らないかも知れないから
「前に会わなかった?」とか訊かないで
私は言わないから
夏のそよ風よりも軽く
宙をただよう音楽のような
甘い驚きに私はなれるでしょう
あなたを連れて行ってあげる

私は私なの、それを分かってくれないと
あなたとは一緒にいられない
そしてあなたに、私たちが
自由でいられる方法を知ってほしいの
一番甘いパッションフルーツより甘く
きっと私はなれる
でも私たちがしないといけない事があるの
それを言うわ

陽の光のように欠かせない
生きる事のように欠かせない
息をするように欠かせない事、それは、
メイキン・ラヴ...。


次回もジョイスの話は、人の迷惑省みずまだまだ続く。乞うご期待。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。