/*
     歌う医学博士・Hideが行く
                        */

***********************************************************************
  Vol.27. 一つの歌と一本のギター(ボサノヴァ講座初級編・その2)
***********************************************************************


こんにちは。Hideです。


おかげさんで先月30日のライヴも無事終了した。お家で応援して下さった方、
どうも有り難う。


それと前回のアンケートにご回答下さった方、どうも有り難う。


前回のポールの話について、まあこさんから早速メールが来た。ご本人の了承を得たので、
ここで公開する。

Subject: お疲れ様でした ○○です。(○○はまあこさんの本名)


>  HIDE様へ
>
>  今頃は、何を歌っておられるのでしょうか?
> 聞きに行けなくて、ごめんなさい。
> オフ会にもなっていそうなので、これをご覧になるときは、お疲れモードで
> しょうねぇ?
>
>  さて、ポール・マッカートニーの感想、愉しませてもらいましたよ。
> 私の友人も、17日に聞きに行っていたから、次の日にレポートして
> くれました。
>  彼の感想は、「思ったより良かった。」 と言うものでした。
> そう、彼の中にも、「もうポールは声が出てない。」 と言うものがあった
> んでしょうねぇ。
>
>  実は、私も「行こうかな?」 なんて思ったんですが…
> 読売TV系でやっていた、ポール・マッカートニーのLIVE告知番組を
> 見て、「行くのは、やめよう」 と思ったのです。
>  理由1 「声出て無いがな。 理由2 「14000円は高いで。」」
> 理由3 「」ビートルズは好きだけど、今さらなぁ?
>  と言う、個人的な偏見で行くのはやめました。
>
>  んで、一つだけ聞きたかったなぁ、というのがありました。
> ウクレレでやった、 SOMETHING なぜ、ウクレレなのか?
> 多分、ジョージがマウイ島に住んでいたからかなぁ? (自信なし。)
> これは、聞いてみたかったですねぇ…
>
>  私の方は、その後…
> 練習に苦しんでいます。
>
>  ボサノバ講座 楽しみにしてますね。
>
>  それでは、簡単ですが、これで失礼します。
>
>

僕の答えは以下の通りだ。

お忙しい中、お便り有難うございます。

>  今頃は、何を歌っておられるのでしょうか?
多分この頃は、アンコールナンバーの例の反北朝鮮のメッセージソングを
歌ってたと思います(この曲についての詳細は、僕のHPの、
「メールマガジンバックナンバー」のVol.20をご参照下さい)。

> 聞きに行けなくて、ごめんなさい。
全然気にしてませんよ。とりあえず順番から言えば、また弾き語りソロを
やりたいと思います。そのときはまた応援にいらして下さい。

もちろん対バン(人?)の再挑戦も、いつでもお待ちしてますよ。

> オフ会にもなっていそうなので、これをご覧になるときは、お疲れモードで
> しょうねぇ?
残念ながらオフ会にはなりませんでした(読者の方はお一人も
いらっしゃらなかったので)。また詳細は、「ライヴレポート」に載せます。

>  さて、ポール・マッカートニーの感想、愉しませてもらいましたよ。
有難うございます。そう言って頂けるのが、一番うれしいです。

> そう、彼の中にも、「もうポールは声が出てない。」 と言うものがあった
> んでしょうねぇ。
やはりみんな考える事は一緒なんですね。

> 個人的な偏見で行くのはやめました。
それは残念でしたね。

> ウクレレでやった、 SOMETHING なぜ、ウクレレなのか?
ポールがMCで言ってましたが、ジョージはウクレレの名手で、
あの曲もウクレレで歌っていたらしいですね。彼の思い出という
事のようです。

>  私の方は、その後…
> 練習に苦しんでいます。
まあ何でもそうですけど、スランプは次の飛躍への準備だと思いますよ。
かの杏里も言っているじゃないですか。「ジャンプするには、少ししゃがむの」と。

>  ボサノバ講座 楽しみにしてますね。
有難うございます。これも一番うれしいです(一番が二つ有るのは少し変ですが)。

ところでこのやりとりも、メルマのネタに使わせて頂いて宜しいでしょうか?
(もちろんあなたの本名は出しません)。またご返事下さい。

それではまたいずれ。一度お会いしたいですね。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
Hide



またぴよさんからも、こんなメールが来た。こちらも答えの中に、
皆さんに読んで頂きたい事があるので、全文公開する(了承済み)。

Subject: 12月の勤務表がぁ〜〜〜!


> おはよう御座います!ぴよです。
>
> 今日(昨日)準夜だったんだけど、
> 12月の勤務表が出来てました〜〜〜!
>
> 明後日の土曜日の休み希望はOK〜♪
> だったんだけど、日曜も「休みか準夜」を希望してたのに〜
> な・ん・と!日勤→深夜入りになってました。
>
> ライブが始まるのって9時なんですよね、
> 終わるのが遅いから、次の日は朝からの仕事以外にしたかったのに、
> 深夜入りなので、お邪魔するのは無理です。
>
> ライブの途中で、帰るのは失礼なので、
> 今回は、行けません。
>
> ごめんなさい、そう頻回にやってないから
> 是非!今回聴きに行きたかったんだけど、
> また、次回に期待しときます!
> ・・・・・・ところで、次回はもうちょっと、
>     早い時間から出来ません?(-。-)ぼそっ
>
> しかし〜勤務表!出来るの遅すぎ!
> 年末年始の勤務だから、作るのが大変なのはわかってるけど!
> 出来てるのも、1〜4日までなの〜o( ̄^ ̄*)!!
>
> (o−−;)oうう〜ん、ホント残念〜
> 文章から受ける、Hideさんのイメージから、
> HPで聴いたボーカルやってるとこって、想像出来ないのよね。
> あと、トークとかするのかなぁ〜〜なんてね!
> 楽しみだったのに〜(*T_T*)ショック!
>
> HPのライブ情報を楽しみに、待つことにします。
>
> ぴよ(。;_;。)しゅん
>
>
>

僕の答えは以下の通りだ。

> おはよう御座います!ぴよです。
おはようございます。

> 今回は、行けません。
> ごめんなさい、
分かりました。

あなたにはメルマを宣伝して頂いているだけで十分感謝
してますんで、全然気にしてませんよ。

>そう頻回にやってないから
本当はもっとやりたいんですけどね。どんなヘボ芸人でも、同じ所で
定期的にやっていれば、少数の固定ファンはつくらしいですから。
今後努力します。

> また、次回に期待しときます!
はい。宜しくお願いします。

> ・・・・・・ところで、次回はもうちょっと、
>     早い時間から出来ません?(-。-)ぼそっ
ライヴハウス側の事情につき、残念ながらあそこでやっている限りは
無理です(他に有ればいいんですけどね。これも今後努力します)。

> しかし〜勤務表!出来るの遅すぎ!
大変ですね。

> 文章から受ける、Hideさんのイメージから、
> HPで聴いたボーカルやってるとこって、想像出来ないのよね。
それはメルマの方がマッチョで、音楽(含む詞)のほうはリリカル
(ないしはフェミニン)という事でしょうか? まあどちらも僕なんです
けどね。メルマはタメ口だからそうなるのかも知れません。HPが
敬語でやっているのは、音楽を象徴しているのかも知れませんね。

実際あのメルマのバックナンバーは、HPから浮いているような気も
しますが、今さらどうしようもないので勘弁して下さい。

> あと、トークとかするのかなぁ〜〜なんてね!
「トーク」とは、曲の間のしゃべり(音楽用語では "MC"と言います)
の事でしょうか。それでしたらしますけど、ただ余り長々とはやりません
(やしきたかじんさんやデーモン小暮さんくらいエンターテイメント出来ると
いいですけど)

> 楽しみだったのに〜(*T_T*)ショック!
まあ次がありますよ。とりあえず順番から言えば、また弾き語りソロを
やりたいと思います。そのときはまた応援にいらして下さい。

> HPのライブ情報を楽しみに、待つことにします。
はい。また見て下さいね!

ところでこのやりとりも、またネタに使わせて頂いて宜しいでしょうか?
またご返事下さい。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
Hide



本題の前にもう一つ。この間ある所で、面白い文章を読んだ。

要旨を言うと、「会話には二種類ある。一つは友人等とのダベリで、もう一つは何らかの
有益な結論に達するためのディスカッションだ。そして話の聞き方は、前者においては
多少聞き逃してもいいが(この著者はこれを「半聞き」と呼んでいる)、後者においては
聞き逃しは許されない。かつ意味をしっかり理解せねばならぬ(著者は「本聞き」と
呼んでいる)。そして本聞きは大変なので、つい半聞きをしてしまいがちだが、
必要に応じて半聞きと本聞きを、使い分けられるようにならねばならない」という所だ。

実はこれは、医療にも大いに関係のある話だ。「医者の話はしっかり聞こう」という事は
僕が以前、「あなたの主治医をやる気にさせる法」等で強調していた所だが
(この意味が分からない方は、僕のHP

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」のVol.17(特に「3.問診編」)を乞うご高覧)、
僕がそういう事を言わねばならないのは、この本聞きが出来ない方が、世の中にはゴマンと
いらっしゃるからだろう。しかし診察というのは言うまでも無くディスカッション
なのだから、是非ともそのために本聞きを練習して頂きたいものだ。
元気で長生きなさりたいのであれば。



ではこのへんで本題に入ろう。ボサノヴァ講座初級編・その2だ。

Vol.2425で言った通り、ジョアンはボサノヴァ界のカリスマだ。
そしてボサノヴァの原点は、ギターの弾き語りであるのも前に言った通りだ。

Vol.24ではアルバム "The Legendary Joao Gilberto"(邦題は「ジョアン・
ジルベルトの伝説」オデオン/EMI(東芝))を紹介したが、もう聴いて下さった方は
いらっしゃるだろうか。

もちろん「国内版で買えるのを紹介せんかい!」とおっしゃる方もいると思う。
そんなあなたには、どれにするか迷いつつも、このアルバムを紹介したい。

ジョアン・ジルベルト アコースティック・ライヴ 〜あなたを愛してしまう〜 
(ソニー・ミュージックエンタテイメント)

これを選んだのは前述の通り、ボサノヴァの原点は、ギターの弾き語りであるからだ。

実はジョアンは、その奇行癖でも知られている。たとえば外出前に二本のズボンのどちらを
はくかで数時間迷ったりとかだ。彼は理由を訊かれて、なんと「はかなかった方が
かわいそうだから」と答えたそうだ。

現在の彼は、奇行癖が昂じてかあるいは人間不信なのか、徹底的な隠遁生活を送って
いるらしい。その徹底ぶりと言ったら、食事を運んできた人にも手しか見せない
ほどだそうだ。ただその反面、たまには友人のパーティーにも出たりとか、夜ドライヴに
出る事もあるらしい。ただしドライヴ中、目をつむる事もあるらしいが(!!!
「やめてくれー!」と言いたくなる。何せ彼はボサノヴァ界のみならず、世界の音楽界の
至宝なのだから)。

多分彼はこの隠遁生活の中、一日に何時間も、一人ギターを弾きながら、あのささやく
ような声で歌っているのだろう。「アコースティック・ライヴ 〜あなたを
愛してしまう〜」を聴けば僕もあなたも、彼の部屋に招待されたようなものかも知れない。 

このアルバムを今回紹介するにあたり改めて聴いてみたのだが(ジョアンは軽々しく
聴かない事にしているのだ。もちろんBGMにするなどとんでもない)、
第一声から彼の世界に引き込まれてしまった。やはり他のシンガーとは格が違う。

誰かが言った。「ジョアンの音楽こそボサであり、彼はボサノヴァ精神そのものである」
と。その通りなのかも知れない。

曲について言えば、"Fotografia" がイチ押しだが、"Desafinado"(デサフィナード)、
"Meditacao"(メディテーション)、"Chega de Saudade"(ノー・モア・ブルース) 、
"Corcovado"(コルコヴァード)、そして ”O Amor em Paz"(過ぎし日の恋)など、
名曲が目白押しだ。"Estate"もいい。

ちなみに今回のタイトルの「一つの歌と一本のギター」は、"Corcovado"(コルコヴァード)
の出だしの歌詞の和訳だ。

「アコースティック・ライヴ 〜あなたを愛してしまう〜」を聴いて、「もっとジョアンの
弾き語りが聴きたい!」とおっしゃるなら、

ジョアン・ジルベルト・ライヴ!( "wea music" と書いてあるが、
国内盤なので安心してほしい)

と、輸入盤だが

Joao Gilberto Live At The 19th Montreux Jazz Festival(ワーナーブラザーズ?)

をお勧めする( 後者については、"Joao Gilberto Live In Montreux" (たぶん
同じ会社)というのも有るが、それぞれもう一方に入っていない曲が有る。"19th" には
3曲、"Live In" には1曲だ)。


次回は初級編の続きで、小野リサさんの話でもしよう。乞うご期待。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとしつこいようだが、このメルマのバックナンバーが僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。