/*
      歌う医学博士・Hideが行く
                          */

***********************************************************
  Vol.12. あなたの主治医をやる気にさせる法・初診編(その3)
***********************************************************


こんにちは。Hideです。

まずはお礼だ。ぴよさんがメルマで、僕のHPをご紹介下さったおかげで、アクセスが
90件、このメルマの読者の方も20人増えた。どうも有り難う。

ぴよさんのメルマは、医療現場の面白い裏話を紹介している。もし宜しければ、

http://melten.com/m/9455.html

を一度ご参照下さい。

新しい読者の皆さん、ご登録有難う。歌うたいとしての僕の事や、このメルマの
バックナンバーは、僕のHPで見れるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

「Hideの全て」と「メールマガジンバックナンバー」を乞うご参照。

それとHelioのライヴが、いよいよ11月に決まりそうである。詳しい事は追って
僕のHPに書くので、「ライヴ速報」のページから目を離さないで欲しい。ジョアンの
方も、10月ごろにはやらせたいので乞うご期待。

本題の前にもう一つ。全く腹が立つニュースだ。日本ハムが国産牛肉と偽り、
輸入肉を焼却していたという。

貴重な食糧を外国から輸入しておきながら焼却するとは、いったい何を考えて
いるのか。世界には餓死しかかっている人が沢山いる事を、まさか知らぬわけでは
無いだろう。外国人から見れば、実に不可解でかつ醜悪なニュースに違いない。

食糧の無駄遣いということで行けば、あのブレンド米も同罪と言えるが、こちらは
日本の食文化の破壊と言う点でもう一つ罪が深い。アメリカ人が、トウモロコシが
凶作だからと言ってバーボンにスコッチを混ぜて売るだろうか?フランス人が、
ブドウの出来が悪いからと言って、自分らのワインにイタリアワインを混ぜて
売るだろうか? 同じ事だと思うのだが。米の分、パンやうどんやそばやパスタを
食べればすむ事だ。

とにかく関係者は、厳罰にして欲しいものだ。

さてお待ちかねの本題。3.問診編だ。

前回言ったとおり、今回の「やる気にさせる法」シリーズの大原則は、

「あなたの職業(学生の方ならあなたの専攻)の素人さんが、あなたに対して
『このくらいの敬意は払ってもらってもバチは当たらないだろう』と思うそれを、
あなたの主治医に払って欲しい」

と言う事だ。

これが大原則なら、3.問診編の「中原則(そんな言葉は無いか?)」は、

「訊かれた事は過不足なく言う、
訊かれていない事は言わない」

と言う事だ。

「何で言ったらあかんねん」とか言うなかれ。Vol.10でも言った通り、医療機関にも
よるが、特に病院の医者はもれなく多忙と思っていい(開業医でも忙しい所は
忙しい)。だからやはり、診療時間の節約に協力すべきであろう。あなた一人の
外来ではない。更に言えば、外来だけの医者でもない(入院患者さんの診療や処置、
検査、更に言えば会議や研修もある)。あなたやあなたのご家族が、
いつ入院患者さんになるか分からないのだから、これはあなたのためでも有る。

もちろんご意見やご要望はお有りだろうが、それは前回言った通り、診察と説明が
全て終わってからにして頂きたい。講演でも講師は、質問は最後にまとめて
受け付けるはずだ(理由はお分かりだろう)。同じ事である。

それでは各論に入ろう。

◇呼ばれるまでは入らない(少なくとも僕は、患者さんの事を予習してから
患者さんをお入れしている。それは患者さんの前でじっとカルテを見ているのが、
僕にはカッコいいとは思えないからだ)

◇挨拶をする(「おはようございます(こんにちは、こんばんは)、宜しくお願い
します」くらいは言おう(時間外なら、「夜遅くに(朝早くに)すみません」くらい
つけ加えると、医者の愛想も絶対違ってくる)。これは人間社会の、一番基本的な
マナーである。逆に言えば、挨拶を返して来ないような医者は見限るべきだ)

◇荷物はカゴに置いて手ぶらになる(そうしないと診察出来ない)

◇上半身は薄手のシャツ1枚になる(前回も言ったが、これで寒いような医療機関は
見限ろう)

座ると、医者が「どうされました?」とか聞いて来るはずだ。そこで、

◇必要かつ十分な事を(5W1Hで言おう。新聞記事と同じだ。)

◇普通の速さかつ音量で(普段から「早口だ」とか、「声が大きい」とか言われる
人は気をつけよう)

話そう。もし問診表が有れば、

◇問診表はもれなく正確に書こう。かつ、

◇問診中は問診表にに沿って話そう(そうしないと書いてもらった意味がない。
医者がリードしてくれるはずだ)

「必要かつ十分」について、もう少し具体的に言っておく。

◇同じことは二度言わない(「お前はアホだ」と言っているのと同じだ。間に他の
事が結構長くはさまっている場合はある程度仕方ない面も有るが、連発はどうか
ご遠慮頂きたい。少なくとも僕は、必要な事はちゃんとカルテに書いているので
心配御無用だ)

◇明らかに病状と関係の無い事は言わない

(余談:昔いた病院(前回言った某政党系の病院)で、前の医者の悪口を延々と
話し、何を言っても返事しない人がいた!!!)

◇但し病状の事は全て言う(時々診察が全て終わってから新しい訴えをされる方が
いらっしゃるが、そうなるともう一度診察台(ベッドの事だ)に寝て頂かないと
いけない場合も有り、はっきり言ってストレスフルだ。

(余談2:同じ病院で、ほかの病気のただの定期診察かと思っていたところ,
ご家族が最後になって「脳卒中と違うでしょうか?」と言い出した例があった。
いくら素人さんでも、脳卒中がノホホンと順番を待っていられない病気な事くらいは
分かりそうなものだが。さっさと救急外来に駆け込んで欲しいものだ。何歩か譲って
素人さんだからしょうがないとしても、やはり最初に「脳卒中と違うでしょうか?」
と言って欲しいものだ。それならこちらもそのつもりで診るではないか。その病院の
外来は超多忙だったので、僕もさすがに気を悪くしたが、あろう事かそれを逆恨み
(いわゆる「逆ギレ」)して投書して来て、また上司がバカだからそれをそのまま
こちらに伝えては、僕を責め立てた(伝えるだけなら上司など要らぬと思うが)。
なかなかトンデモな病院だった。そこは1年少しで辞めたが、もしもっと長くいたら
僕もトンデモ人になっていたかも知れない。「朱に交われば赤くなる」)

但し「全て」と言っても、程度問題である。最初から20や30の訴えをされても、
正直言って困る。まあ最初は、一番つらい事2つか3つまでにしておこう)

以上、「必要かつ十分」の補足である。

◇極力標準語を使う。特殊な方言や幼児語は使わない(前者は医者との間に
壁を作る。後者は知性を疑われる)

◇尊大な態度(いわゆる「デカい態度」)はとらない(これは大原則の通りだ。
もちろん卑屈になる事もないが)。そのためには、

◇年上の医者には必ず敬語を使おう(いわゆる「タメ口」はNG。もちろん医者が
同い年や年下でも、お互い大人なのだから、使うに越した事は全くない)

問診編の途中だが、そろそろバイトの当直に行かねばならないので、このくらいに
しておこう。続きは次回。

但し17日と24日は盆休みを取らせてもらう。せっかく読者の方も増えたので
残念ではあるが、31日をお楽しみに。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)

デワマタ。