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      歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.10 あなたの主治医をやる気にさせる法・初診編(その1)
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こんにちは。Hideです。

ついにこのメルマも、10号を数える事が出来た。これはひとえに、
皆さんのサポートの賜物である。どうも有り難う。これからもひとつ、
応援ヨロシク(購読を続けてくれるのが一番のサポートだ。
そして出来ればお友達に紹介してもらえれば、もう一つうれしい。僕のHP

http://heliotrope.s9.xrea.com/

から申し込み可です)。

次に応援メッセージだ。いつものr_yamamoto さんから

> No.9が届かなかったよ???  ♪ゴルフがんばってね♪

との事である。有難う。届かなかった事についてはメル天にお問い合わせ下さい。
バックナンバーは僕のHPで読めるので、「メールマガジンバックナンバー」の
ところを乞うご高覧。

ゴルフはどうもうまく行かなかった。しかし難しいコースなので、来月4日の簡単な
コースで100切りを狙いたい(ゴルフをやる人は分かると思うが、コースによって
難易度の差は歴然と有る)。

さて2週間休んで鋭気を養ったところで、前々から書きたかったテーマに挑戦したい。

とは言ってもかなり大きいテーマなので、とりあえず初診に限定したが、それでも
数回に分けねばならぬだろう。今回は「あなたの主治医・迷医度チェック」の時とは
違い、理由もちゃんと説明し、僕の医療観や、13年強の内科の医者としての
経験等も織り込んだ大作にしていきたい。

このテーマについては、米山公啓先生の「いい医者・いい病院がよく分かる本」
(三笠書房)等の名著がすでに有る。確かに僕も参考にさせては頂いているが、
やはり実際的なことについて手薄な面があるので、僕の出番はあると思う。

なお僕は内科医なので、例によって内科に限定した話だ。読者の方に他の科の
ドクターがいらっしゃれば、その科の編を作って頂ければ有り難い(これは
「あなたの主治医・迷医度チェック」についても同様)。

えっ?「やる気にさせる法とは何事だ!どんな患者さんにも全力を尽くすのが
医者と違うんか!」って?

それは確かに正論である。しかし正論ではあるが、あくまで机上の空論に過ぎない。

何故と言われても、医者は患者さんを診療する機械ではない。感情を持った
生身の人間である。誰かが言った。

「士は己を知る者のために死す」と。

患者さんのために死ぬ気は無いが、しかし礼儀正しくかつ分かっている患者さんの
ためには、言われなくても全力を尽くしたくなるものだ。そういう患者さんが
一人でもこの世に増えて欲しいという願いを込めて、今これを書いている
(もちろん転載・転送・プリントアウト・配布・引用等全てどうぞご自由に)。

僕は医者と患者さんというのは、患者さんの長寿と健康という目的を達成する
ための、イコール・パートナー(対等の協力者)だと思っている。であるからには、
お互いが目的の達成のために、ベストを尽くす義務があるはずだ(決して医者だけに
あるのではない....少なくとも僕はそう思っている)。だからそれに賛成出来ない
方は、僕の外来には来ないで欲しい(とは言っても偶然そうなってしまう事も有る
だろうが)。

また医療機関にもよるが、特に病院の医者はもれなく多忙と思っていい。だから
やはり、診療時間の節約に協力すべきであろう。あなた一人の外来ではない。更に
言えば、外来だけの医者でもない(入院や検査、更に言えば会議や研修もある)。

もちろん最初からやる気のない医者もいるだろうが、そういうのは「あなたの
主治医・迷医度チェック」で見破れるはずだ(バックナンバーのVol.34
乞うご参照)。

それでは、各論に入ろう。とは言っても勝負は、すでに家を出る前から、
いや前日以前から始まっている。そこでまずは

1.準備編 だ。

◇風邪引き、はらいた、膀胱炎等は開業医へ行く事(間違っても総合病院へ
行かないで欲しい! そういう患者さんばかりだと、総合病院が本来すべき仕事が
出来なくなるばかりか、患者さんたちも長い長い待ち時間に耐えねばならなくなる
(その人自身が待たされるのは自業自得かも知れぬが、他の人に迷惑だ))

◇軽症の方は、時間内に受診頂きたい(どうしてと言われても、救急外来というのは、
次の時間内まで放置した場合、生命等に危険が及びかねない人のために有るのだ。
風邪で死んだ人はいない。病院はコンビニとは違うので悪しからず。軽症の
判断基準だが、今まであなたが経験した事が有る症状ならまず大丈夫だ(但し
喘息や心筋梗塞等の再発作は例外だが、それは今までの医者の説明で分かるだろう。
何が例外か説明しないような医者は「あなたの主治医・迷医度チェック」
見破れる))

◇転医の場合は前医の紹介状(無理ならせめて出ている薬)、ドックで異常を
指摘されたのならその結果(出来ればフイルム、心電図等)を持参する
(紹介状は、「引越しする」等嘘も方便して書いてもらえばいい)

◇他の科にかかっている場合は、極力紹介状を書いてもらう事。無理ならせめて
薬を持参する事(さもないと薬がダブりかねぬ)

◇化粧は極力しない。するなら出来るだけ薄く(顔色は正しい診断のための、
大切なデータである)

◇決して、間違っても酒を飲まない(真剣さを疑われる)

◇午前診ならその日は,極力何も飲まない・食べない(採血データにそれが
必要なのがあるし、緊急に胃カメラやおなかのエコー等が必要な事もある)

◇出来るだけ軽装で行く(和服、ワンピース、ボディースーツはよくない。
またすねが出るようにしておいた方がよいので、パンストやきついズボンは
止めよう。病院にもTPOがある)

◇但しブラジャーはしておく事(乳房を見られてもいいなら別だが)

◇難聴の方はまず耳鼻科へどうぞ(無論緊急の場合は別だが。どうしてと
言われても、診察というのは医者と患者さんがコミュニケートして、患者さんに
とって最高と思われる診療方針を医者が見付け出し、患者さんにそれを提案し、
患者さんがそれを選択するプロセスだ。とすればコミュニケートするために、
患者さんはベストを尽くすべきだ)

◇病院なら本を持って行く(何も読む物がない待ち時間はつらい)

◇出来れば時間ぎりぎりには行かない(そこの医療機関にとっては,職員を
超勤させねばならない等負担になるし、他へ紹介しようとしても時間外で
大変な事も有り得る)

それでは長くなってきたので、きりのいい所で次回に続く。「2.付き添い編」
からだ。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)

デワマタ。