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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.96. 医療の荒野を耕そう(その2)
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こんにちは。Hideです。


まずは前回のアンケートにご協力下さった方、どうも有り難う。

それと昨日から、アンケートが出来ない状態だった。この間にアンケートをしようと
して下さった方、もしいらっしゃいましたらすみません。もう復活しましたので、
どうか宜しく、また貴重なご意見をお寄せ下さい。


正月休みは、今年は31日から4日までだった。大学で研究に専念していた時以来の
入院患者さんがいない状況なので、心理的にはかなり楽だった。

おかげで31日は大掃除とかはあったが、あとは紅白を見たり、年が明けたら年賀状を
じっくり読んだり、住所変更を忘れていた人の分をもう一回出したり、メルアドを
書いている人にはメールを書いたりして、結構のんびり出来た。

その一方で、ボサノヴァの弾き語りの練習をしたり、ウオーキングをしたり
(おかげさんで、風邪も治った)とかもしていた。

次のライヴは、不特定多数の方に初めて発表するが、いよいよボサノヴァシンガーとしての
デビューを飾りたい(ボサノヴァという音楽について、詳しく知りたい方は、僕のHP

http://www.helio-trope.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、ボサノヴァ講座を乞うご高覧)。

今までは「ジョアン成原」という、僕の友人の日系ブラジル人ボサノヴァシンガーの
プロデュースをして、自分のボサノヴァ熱を満足させていたのだが、やはり自分で
歌いたいという欲求が、もう押さえ切れなくなった。

名義は、"Hide with Bossa" で行く。「ボサノヴァを持ったHide」、「ボサノヴァと
ともにあるHide」という意味だ。決して、「 "Bossa" というバックバンドを従えた
Hide」という事ではないので念のため。

そのまた次のライヴは、いつものオリジナルの弾き語り、しかも今年はワンマンライヴで
行くつもりだ(これも、不特定多数の方には初の発表のはず)。

という事は、オリジナルの新曲を、そろそろ作らねばならないのだが。

アイデアはいくつかあるが、なかなかそれを一曲にふくらませたり、曲は全部
出来ていても、詞を書いたりする時間がない。正月休みにやろうかと思っていたのだが、
つい「Mr.インクレディブル」とかを観に行ってしまった(笑)。

まあ、そのうち何とかなるだろう(笑)。Hide with Bossaのライヴが終わったら、
また取りかかろう。


前ふり(ミュージシャンとしての近況報告)はこのくらいにして、お約束の本題と行こう。

僕の糖尿病外来の話をしよう。予備知識として、W先生の糖尿病解説は読んで頂けた
だろうか。もしまだなら、そしてお時間があれば、Vol.93(No.113、つまり12月
18日号のこと)を今一度ご高覧頂くか、削除してしまわれた方は、僕のHP

http://www.helio-trope.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」でご高覧頂きたい。

繰り返しておく。僕が引き継いだ外来は、まさに「医療の荒野」だった。

ただ、今の病院の名誉(?)のために言っておくと、今まで人の外来を引き継いで、
感心したためしはないのだが。大体は「何つうええ加減さや!!」とか、
「やる気あるんかこいつは?!」とか、思わせられっぱなしだった。

ちゃんとしていたのは、大学の外来か、B病院の一部の外来くらいのものだろう。
後者からは、2ページごとに患者さんのメインの病名を、リストアップしておく事を
学んだ。確かにそうすれば、何の病気か分からず患者さんを診ているような事はなくなる
(ちなみにM病院では、金儲けのために採血はマメにやっていた。そのこと自体は
悪くはないのだが、肝心の「この病気ならこの採血項目がないと診ているとは言えない」
項目が、往々にして全くやっていなかった。やはり他の科の医者が、内科を診れるような
顔をして診ている病院はダメだ)。

今の病院に話を戻そう。どうひどいのかと言うと、糖尿病外来のくせして、何ヶ月も
ヘモグロビンA1cを測っていない。患者さんに、カロリー制限のための栄養指導を
全くやっていない人がゴマンといる。何ヶ月も血糖と、ヘモグロビンA1c以外の採血を
やっていない。患者さんに、「ヘモグロビンA1cって、どんな検査ですか?」と
訊いても、まともに答えられた人がいないし、「糖尿病は何故コントロールしないと
いけないんですか?」と訊いても、100点満点の回答が返ってきたためしがない
(まあこの二つは、患者さんの記憶力に問題があるという事が分かったが。
ただそれならそれで、患者さんにパンフレットを手渡すとかすべきだ)。

付け加えておくと、眼科にまだ行っていない方が結構いらっしゃるし、おなかのエコーを
撮っている人など皆無に等しい。また腎臓系に異常がある方でも、ベータ2マイクロ
グロブリンという、詳しい検査を全然やっていない。

なぜ、これらは間違いなのだろう?

一つ一つ、解説して行く。


1.糖尿病外来のくせして、何ヶ月もヘモグロビンA1cを測っていない

→W先生解説から、一部引いておく(以下引用)。

血糖コントロールがなぜ大切なのかと言う事ですが、それは「風邪は万病のもと」ならぬ
「糖尿病は万病のもと」だからです。コントロールが良くないと、身体中の血管が
傷んで来ます。(中略)コントロール目標は一概には言えませんが、是非とも
クリアーしたいレベルは、(中略)ヘモグロビンA1cと言う最近1-2か月の
血糖コントロールを示す検査が7.0%以下(中略)などです。

(引用終わり)

つまり、血糖コントロールのモニターにヘモグロビンA1c は不可欠である事
(一番大切な指標の一つだろう)、そして検査した日から、1-2か月さかのぼった期間の
血糖コントロールを示すのだから、1ヶ月おき(か長くても2ヶ月おき。
普通は1カ月おきだが)には測らなければならないという事だ。

ちなみに、何人かの患者さんたちによると、医者から「3カ月おきでいい」と
言われていたらしい。それがもし本当なら、もう何をかいわんやである。


長くなって来たので、続きは次回。悪しからず。



最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想、ご質問等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとくどいようだが、このメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://www.helio-trope.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。