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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.57. 我が「アイドル」、渡辺美里
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こんにちは。Hideです。


さてビッグニュースだ。何とあのジョアン・ジルベルトの、9月15日の横浜での
コンサートのチケットが取れてしまった(ジョアンについては、僕のHP

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、「ボサノヴァ講座・初級編(完全版)」を
乞うご高覧)。

次の日仕事なので、日帰りで行って来る。もちろんこのメルマにも
レポートを書きたいと思うので、乞うご期待。

ジョビンを見れなかったのは一生後悔のネタになりそうなので、これ以上後悔のネタを
増やしたくはなかった(ジョビンについては、「メールマガジンバックナンバー」の、
ボサノヴァ講座・入門編(完全版)」を乞うご高覧)。今夜はバランタインの
30年ものでお祝いだ(スコッチを飲む人は知っていると思うが、非常に高い酒なので、
いい事があった時にしか飲まないことにしている)。


お次は前回の補足としよう。

「徴兵制については禁止しなくていいのか?」とおっしゃる方もいると思うが、
それは無用の心配だ。

と言うのは現在の戦争は、素人にいきなり出来るものではないからだ。
少なくとも先進国では、徴兵は戦力としては期待されていない。

それは近代徴兵制の元祖・フランスで、徴兵制が廃止されたのがいい例だろう。
徴兵制をやっている国でも、現在では体験入隊的な意味合いになっているようだ。


さて病院だが、いよいよ外来2診化が始まった。

おまけに木曜の夜診で、ペアを組んでいた非常勤の先生がリストラされた。
その他にも何人か、非常勤が辞めさせられた。

そういうわけで、その先生方の患者さんがどんどん僕の外来に押し寄せるし、
その患者さんたちはほとんど初対面なので、責任上全身を診察せねばならぬし、
カルテに一から目を通さねばならぬし(で、診療内容も結構いいかげんだったりするし)、
とにかく忙しい。ほとんど休む間もないくらいだ。

まあそのあたりまでは我慢もしようが、どうもその患者さんたちには、何か勘違い
されている方々が多いようだ。こちらが症状を訊いているのに、「薬がない」
「薬をくれ」と、人の話を全然聞いていない、薬局と病院の区別がついていない方々が
ゴマンといらっしゃるし、前にも言ったように、診察をすると言うといきなり診察台に
寝転がったり、服をいきなりまくり上げたりと、ただでさえ忙しい中ストレスを
倍増させて下さる方々もいらっしゃる(何故かは

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」の、「Vol.17. あなたの主治医をやる気に
させる法・初診編(完全版)
」の、「4.診察(身体所見)編」を乞うご高覧)。

極めつけは、「次から自動血圧計で、待ち時間に血圧を測るようにして下さい」と言うと、
他の患者さんはみんなそうしてくれているのに、「(リストラされた某)先生は、
自分で中で測ってくれた」と言い出し、いくら「みんながそれをやりだすと外来が
パンクする」と、礼を尽くし筋道立てて説明しても納得せず、挙句の果ては「お金を
もらってるんやからやってくれても」とおおせになった方もいらっしゃった。
余りしつこいので僕もとうとう、「次から他の先生の所に行かれるか、自動血圧計を
使われるか、どちらかにして下さい」とはっきり言わせてもらったが。

「お金をもらってる」云々と言われても、医者は血圧を測るために給料を
もらっているのではない。血圧を見て、治療をどうするか考えるために給料を
もらっているのだ。だからそれを医者に言われても困る。どうしても手動で
測って欲しいのなら、看護婦さんに言ってもらいたい。

そう言えばVol.28で言ったどうしようもない病院では、自動血圧計があるのに、
あろう事か医者が、自分で血圧を測らされた。何のための自動血圧計かと言いたくなる。
実際医局会でそれを言うと、院長の茶坊主のドグサレ外来婦長が、「○○先生は、
ちゃんと自分で血圧を測って、2時までかけて外来をやっていた」と、あたかもそれが
いい事であるかのように平然とぬかした。つまり12時に来た患者さんは、
2時間待たされるという事ではないか。頭にウジがわいているとしか思えない。

まあこんなキ○○イ病院は、辞めて正解だったという事だろう。


では不愉快な話題はこのくらいにして、いよいよ本題だ。僕の歌における、
技術と心の最大の師について語ろう(とは言っても、直接教えて頂いた事はないが)。

僕は、時々思うのだ。

もしかしたら渡辺美里という人は、神様が僕ら不信心な人間を惑わすために、
この地上に遣わした、魔女なのではないだろうかと。

ここまで読んで、僕に抗議のメールを書こうとしたMISATOフリークの君!

そうしてくれてもいい。だがその前に、もう少しだけつき合って欲しい。

何しろ僕は、彼女のアルバムと先行シングルは全てチェックし、コンサートにも年1回は
必ず足を運ぶ、自他ともに認めるMISATOフリークなのだから。

但し僕は、西武球場に行った事は残念ながらない。という事は、美里さんの確実に
何割かを、僕は理解しようとしていないという事だ。その点では、西武球場に足を運ぶ
人達には(特に関東から遠い人には)、MISATOフリーク度では負けるだろうが。

話を戻そう。もし美里さんが、神様が遣わした魔女だとすれば、デビュー当時の彼女の
ヴォーカリストとしての未完成さと、それを補って余りあるバックのアレンジや詞や曲の
クオリティーの高さも、その後3年間のヴォーカリストとしての急成長も、さらにその後の
円熟ぶりも、全て天の配剤という事で納得が行く。

つまり彼女は、アレンジや詞や曲でまず僕の耳を惹きつけた。そしてやがては、
その声で僕を魅了できるようになった。その一方で、きっとそのルックスで、
他のファンからはアイドル的な人気も得たに違いない(ただそういう人達は、
やがて離れて行ったかも知れぬが)。

そう言えば中島らもさんが、こんな事を言っていた(細かい言い回しは忘れたが、
要旨はこんな所だ)。

「アイドルは、最初から歌がうまくてはダメなのだ。ファンは自分が知らない所で、
アイドルが実力をつけて来るのを許さない。ファンに見える所で、ファンに見守られて、
成長して行かなくてはならぬのだ。ファンにとっては、自分がその成長を一緒に
体験できるのが快感なのだ。」と。

もしそうだとすれば、初期の美里さんは僕にとって、まさに「アイドル」だったのかも
知れない。


次回も美里さんの話は続く。乞うご期待。



最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとくどいようだが、このメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。