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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.52. アントニオの歌(ボサノヴァ講座中級編・その10)
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こんにちは。Hideです。
まずは前回のアンケートにご協力下さった方、どうも有り難う。
さておかげさんで、先月31日のライヴも大過なく終わった。ライヴレポートは
忙しくてまだ書けていないが、HPにアップするのでまたお知らせする。
その際は乞うご高覧。
とりあえずは肩の荷が一つ下りたが、今月は実にスケジュールがタイトだ。
明日は医師会のツアーで宝塚を観に行くし、15日は僕の技術と心の最大の師
(とは言っても、直接教わった事はないが)、渡辺美里さんのコンサートだ。
22日と29日はゴルフがある(前者はプライヴェートだが、後者は医師会の
コンペなので、若輩者としては気を使う)。ちなみに10日は予防接種だ。
ゴルフと言えば、会員権が安いコースに入会する事になった。そういうわけで、
お金はそんなに要らなくなったので、体もきついし院長が僕をこき使うし
(風邪の患者さんでも、食事を中断して即刻診に行かねばならぬようである!!)、
おまけに風呂等の設備も悪いので(当直医は手術場の風呂を使えないとか、
スリッパがダメになっても補充しないとか、イヤガラセばかりしてくる)、
第二土曜のバイトの当直は辞めた。これでこのメルマにも、
少しは力が入れられそうだ。
話は二転するが、先月の27日、某病院チェーン(以下 "T")のドックに行って来た
(被検者として)。
実はTの、別の病院に去年まで、3年前くらいから毎年ドックに行っていた。今年もここで
予約していたのだが、結構直前になって、「胃カメラと大腸ファイバー担当の医者が
退職したので、その二つだけ後日に延期して欲しい」というふざけた電話があった。
で、いつ頃受けられるのかと訊くと、「分からない」ともう一つ、「おのれはまじめに
仕事やる気あるんかコラ!」と言わざるを得ない(言わなかったが)答えが
返って来たので、当然全てキャンセルして、鞍替えしたわけである。
こちらも二回仕事をキャンセルして行けるほど、ヒマ人ではない。
本当を言うと、Tからもこの際足を抜こうかとも思ったのだが、他にドックで
胃カメラや大腸ファイバーや胸部CTをやってくれる所も知らないし、
まあ一回の事でそこまで怒るのも大人気ないかと思って、そこまではしないでおいた。
病院はきれいで、立派だった。ただCTに血痕がついていたのと、内視鏡室の看護士の
タメ口と(まあ僕は年より若く見られることが多いから、ある程度しょうがない面は
あるだろうが)、腹部エコー担当の技師の、プローブの体への押し付け方が強すぎるのと、
あと胃カメラと大腸ファイバーの待ち時間が余りにも長いのは、何とかならないものかと
思ったが(まあ何ともならないのだろう。アンケートもとらないところを見ると)。
ちなみに女性の事務員さん等何人かから、「様」付けで呼ばれた。僕は医療者と患者さんは
対等であり、かつ患者さんは三割負担の方なら三割、生保の方ならゼロ割しか
「お客さん」ではないと思っているので、「様」付けは今まで余り感心しなかったのだが、
自分が患者の立場になってみると、相手が事務員さん等でかつ年下なら、「様」付けも
悪くないものだと思った。ただしもし医者から、「様」付けで呼ばれたとしたら、
相手が年下だとしても、また違和感があるだろうが。
結果の方は、大腸ファイバーでポリープが見つかったので、その場で内視鏡的切除
してもらった。もし受けていなかったら、そしてこれからも受けなかったら、
10年後か20年後にはポリープがガン化して、僕の命を奪っていたところだ
(と言うかすでにガン化している確率も、サイズが7から8mmだったから、
5%くらいは有るのだが)。本当に検査してよかった。
ちなみにポリープの検査と処置については保険が使えたので、予定より2万円くらい
安く上がってよかった。
書きたい事はいろいろあるが、時間がない(午後診が結構忙しい)。次回以降に回そう
(こうしてまた宿題がたまっていくのだろう)。
では本題。ボサノヴァ講座中級編の最終回だ。
4月26日、Vol.47でやって以来、久しぶりの、2回目の、そして最後の
アナ・カランのお話である。
輸入盤だが、やはりこれを紹介しないわけには行かないだろう。
The Other Side Of Jobin (Chesky)だ。
これは読んで字のごとく、ジョビン作品集である。
ギターを操る女性シンガーソングライターということで、どうしてもジョイスと
比較してしまうのだが、ジョイスが以前紹介した、"Joyce Tom Jobim...Os Anos 60"
(EMI-ODEON BRASIL)というジョビン曲集で、かなりメジャーな曲ばかり
やっているのに対し、アナは渋めの曲ばかり取り上げている。
お勧めのトラックだが、"Esperanza Perdida" と "Caminhos Cruzados" は
そこそこ軽快、そこそこしっとりでいい。”Ana Luiza" と
"Eu Nao Existo Sen Voce" は、実に美しいバラードだ。"Correnteza" は、
ブラジルの自然をイメージさせ、少し不思議な世界に誘ってくれる。"Sem Voce" と
"Eu Te Amo" は、スティーヴ・ザックスのそれぞれソプラノサックスとフルートが、
実に美しい(ちなみに前に言った、アナが弟子入りしようとして、逆に弟子にして欲しいと
言ったのはこの人だ。"Eu Te Amo" だけは、ジョビンではなくHeitor Villa Lobos
という人の作品だが、バラードの佳曲だ)。"Samba Torto" は実にノリがいい。
つまり...、ほとんど、いや全ていいのだ。やはりジョビンは、不世出の作曲の天才だ。
アナもジョビンに敬意を払う一人であるのは間違いないところだろう。
あと、国内盤なので、
ポストカーズ・フロム・リオ(チェスキー・レコード)
も紹介しておこう。
お勧めは「アントニオの歌」だ。これはマイケル・フランクスが、ジョビンに
デディケートした曲だ。そう言えば、日本の女性歌手が日本語でカヴァーして
歌っていたので、ご存知の方もいらっしゃるだろう。
またVol.47で紹介したアルバム "Sunflower Time" で、"Overjoyed" と
メドレーでやっていた、 "Ancora" のバンド・ヴァージョンも聴ける。
こちらも悪くない。
以上で1月4日から始めたボサノヴァ講座中級編、これでひとまず終わりとしたい。
次回から上級編を始めたいので、乞うご期待。
なお中級編も、完全版をいずれ作って公開したい。こちらも乞うご期待。
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は
hide@helio-trope.com
までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)
それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、
http://heliotrope.s9.xrea.com/
の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。