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歌う医学博士・Hideが行く
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Vol.47. 天上の歌姫、アナ・カラン(ボサノヴァ講座中級編・その9)
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こんにちは。Hideです。
まずは前回の補足。皆さんにお願いしたいが(これからの季節には関係ない話かも
知れないが)、診察場では薄手のシャツ一枚になって頂けると有り難い。血圧をはじめ、
診察がしにくいので。胸ポケットの中の物は出して、ネクタイは緩めて
ワイシャツのボタンは上二つ外して頂けるととてもうれしい。
そう言えば先日、僕のルールを徹頭徹尾無視しまくり(と言ってもこのメルマの読者では
ないのだろうから、止むを得ない面はあるが)、極めつけはエプロンを取らず、
「取って下さい」と言うと無言で診察場を出て行った人がいた(まあ怒鳴り散らさないだけ
ましかも知れぬが)。多分この人には、病院と薬局の区別がついていないのだろう。
困った事だ。
さてイラクでは、軍事的な局面はほぼ終了したようである。この戦争で犠牲になられた
同盟軍の皆様と、イラクの軍人および非戦闘員の皆様に、心から哀悼の意を表したい。
今度は北朝鮮が、核による脅しに出ているようである。多分金正日が第二次湾岸戦争
(いわゆる「イラク戦争」)から学んだ教訓は、「フセインは核を持たないからやられた」
なのだろう。
その正誤については議論の余地はあるだろうが、今までのように核の存在を「匂わせる」
「ちらつかせる」のではなく、はっきり表に出すのは愚の骨頂だった。少なくとも
彼らが、核について「唯一の交渉相手」と呼ぶアメリカは、この程度の脅しで
引き下がるほど軟弱ではないだろう。また彼らのほとんど唯一の後ろ盾と言える中国も、
彼らの核武装には反対なのだから、自分らの孤立をより深めるだけだ。
日本がすべき事は、以前にも言った通りただ一つしかない。彼らへの一切の援助を、
即刻断ち切る事だ。
何故ならいくら援助物資を送ったところで、金正日はそれを、アメリカに届く核ミサイルを
造るためにしか使わないからだ。それが彼が畳の上で死ぬ、唯一の方法なのだから
(それとて革命やクーデターも起こるかも知れないのだから、確かではないが)。
これはヒトラーについても言える事だが、独裁者が平和を語る目的はただ一つしかない。
それは、侵略戦争の準備のための時間稼ぎだ。
以前イギリスの、ナチスドイツに対する宥和政策が、結局ナチにポーランド、
そしてヨーロッパ全土へ侵攻するための時間稼ぎを許してしまった事を書いた。
この宥和政策──今なら「太陽政策」になるのだろうか──を推し進めたのは、
当時のイギリス首相チェンバレンだった。当時彼は、平和主義者として
賞賛されたそうである。
一方それを批判する政治家たちもいた。その中にはのちの首相チャーチルも含まれる。
そして彼らは、好戦主義者と呼ばれて非難された。
しかし現在どちらが正しかったかと言われて、チェンバレンの名を挙げる人は
おそらく一人もいないだろう。
現在のこの国も、そしてアメリカも、他山の石とするべきではなかろうか
(まあアメリカは、当然言われるまでもなくするだろうが)。
医療への株式会社参入の事も書きたかったが、時間がない。次回に回そう。
それでは本題。約束通り、ボサノヴァ講座中級編だ。
中級編は女性ばかりだが、3人目の素晴らしきボサ・レディー
(こんな言葉はないか?!)を紹介しよう。
アナ・カランだ。
彼女もジョイスと同じで、ギターを操るシンガー・ソングライターだ。音楽理論にも
精通していて、あるアレンジャー(だったと思う)に弟子入りをお願いしに行くと、
「こっちが弟子にしてほしいよ」と言われたそうだ。
また才だけでなく色も兼備しているところもジョイスと共通していて、
僕ら男性には有り難い。
ヴォーカリストとしては、ジョイスほど個性的ではない。ただ声の美しさには、
なかなか捨て難いものがある。
国内盤は2枚しか出ていないが、やはりこれだろう。
Sunflower Time/Anna Caram(マーキュリー・ミュ−ジックエンターテイメント)
イチ押しはなんと言っても、"Overjoyed〜Ancora" だ。
"Overjoyed" はポップスに詳しい方はご存知かも知れぬが、
かのスティービー・ワンダーの曲だ。 "Ancora" は彼女のオリジナルだ。
彼女はこの2曲をメドレーで、このトラックだけギター1本の弾き語りで、
いずれもスロー・ボサで歌っている。
これはもう、天上の音楽だ。
この1曲だけで、もうこのアルバムは買う価値がある。
だまされたと思って聴いてみて欲しい。
僕も "Overjoyed" の弾き語りに挑戦するため、わざわざスティービー・ワンダーの楽譜を
買ったくらいだ。ただ彼女のような、天上の音楽は作れなかったが。
やはり才能の差なのだろう(当たり前か)。
"Overjoyed〜Ancora" の他にも、"Close To You"(言わずと知れた、
カーペンターズの曲だ。杏里さんもカヴァーしている)もしっとりとした感じで
いい。"Wave"とかはスタンダードナンバーだが、ポップ・バラード調のアレンジで
聴かせる。
次回もアナ・カランの話だ。乞うご期待。
最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は
hide@helio-trope.com
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(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)
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の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。