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      歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.11 あなたの主治医をやる気にさせる法・初診編(その2)
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こんにちは。Hideです。

まずはうれしいお知らせだ。看護婦さんの「ぴよ」さんのメルマで(同じメル天で
やっていらっしゃる)、「あなたの主治医・迷医度チェック」を、

>(⌒^⌒)bうふっ!読者のお医者さん♪から、こんな情報を頂きました〜(*^>▽^*)
>読んでみて、凄く「そうそう!!」って思ったので〜
>皆さんも、やってみてね!いくつチェックが付くやら〜???

(中略)

>Hideさん!情報提供ありがとうございました〜(後略)

とご紹介頂いた。どうも有り難う。

ぴよさんのメルマは、医療現場の面白い裏話を紹介している。もし宜しければ、

http://melten.com/m/9455.html

を一度ご参照下さい。

それでは前回の続きだが、その前に1.準備編で、大事な事を言い忘れていた。

◇内科の医者は二人は要らない(もちろんよほど特殊な病気なら専門医と一般医が
要るだろうが、ちゃんとした内科医はたいていの病気なら診れるので

(診れない医者は、「迷医度チェック」で分かるので

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の「メールマガジンバックナンバー」のVol.34を乞うご参照)

、はしごは止めよう。検査はダブるし、薬も重なりかねぬ。二人の内科医に
かかっている人は、どちらかに紹介状を書いてもらって、極力一か所にまとめよう)

という事だ。

さていよいよ医者とご対面だが、その前に全体を貫く大原則を言っておこう。それは、

「あなたの職業(学生の方ならあなたの専攻)の素人さんが、あなたに対して
『このくらいの敬意は払ってもらってもバチは当たらないだろう』と思うそれを、
あなたの主治医に払って欲しい」

という事だ。

つまり言い換えれば、僕らにそのくらいの敬意も払って下さらない患者さんや
ご家族が、世の中にはゴマンといらっしゃるという事だ(まあご自分のお仕事に、
その程度のプライドしか持っていらっしゃらないのかも知れぬが)。全く困った事で
ある。しかし嘆いてばかりはいられないので、少しでも現状を良くしようと
このメルマを書いている。

医者とご対面の前にもう一つ。付き添いの方に言っておくが、お家を出られる前に、
まずその付き添いは本当に必要なのかどうか、もう一度よく考えて欲しい。
患者さんが成人で、正常な判断力があり、コミュニケーションに支障がなければ
こちらには付き添いの必要は全くない。あまり交流のないご親族や、
友人・知人の方ならむしろ守秘義務も有ると思う。

それに訴えによっては、問診表を書くときに他の人が横にいれば、本当の事が書けず
正しい診断がつかなかったり、診療に支障をきたす場合もある(妊娠や性病に
なるような行為の有無など)。

それを考えた上でやはり付き添いが必要なのなら、

2.付き添い編だ。心してお読み下さい。

◇診察場には極力入らない。どうしても入りたければ、必ず許可を取る。その場合
必要最小限の人数で入る(間違っても無断で入らない! 内科では医者には、
患者さんとしかコミュニケートする義務は無い(小児科なら別だが)。これは
入院患者さんについても言えるが、医者のほうから「します」と言わないご家族への
病状説明はサービスだ。間違っても「当然の権利」などと思わないで欲しい。
必要ならこちらから「入って下さい」と言うので心配しなくていい)

(余談:僕が以前在籍した某政党系の病院では、入院患者さんのご家族を、頼まれも
しないのにわざわざこちらから呼んで説明するのを「不文律だ」などと寝言を
言っていたが、あの冗談のような忙しさの中で、一体全体どこにそんな時間が有ると
言うのだ。逆さに振っても出るわけはない。現場を知らない人間の空論・暴論ほど
困るものはない)

◇未成年や痴呆の方等でやむを得ない場合にも、必ず必要最小限の人数で入る
(そうしないと物理的には診察場が狭くなり、心理的には集中力が乱れるので診療に
支障をきたす(まあチャランポランに仕事をしている医者は別かも知れぬが.....)
。医者──少なくとも僕──にとっては、問診とは病気との真剣勝負だ)

◇だから決して、間違っても、医者と患者さんの会話には割り込まない! 
(医者にとっては、これ以上集中力を乱されて不愉快な事は無い。僕も昔に
比べれば、いくらかは人間が丸くなって来たとは思うが、これだけは未だに
我慢出来ない。だからクリニックでは、その旨掲示している。

中には、患者さんと同時にお話して下さる付き添いさんもいらっしゃる。
こちらを聖徳太子様かどちら様かとお思いなのだろうか? 
患者さんが言語障害や難聴等で、お口添えが必要と判断した場合は、
こちらから言うので心配ご無用だ)

◇そういうわけで、お話は患者さんが全てしゃべり終わってからにしよう。
それまでは口を開かないで欲しい。それが出来る自信が無い方は、
「診察が終わったら呼んで下さい」と言って外で待とう

◇またご要望やご質問は、診察と説明が全て終わってからどうぞ
(これは患者さんにもお願いしたい)

◇間違っても、「診察場が暑い」などとは言わぬ事!(診察場は熱のある患者さんに
服を脱いで頂く場所なのだから、普通の服なら暑いのが当たり前だ(そうでない
医療機関こそおかしい)。ちなみに僕は、真冬でも丸首半袖の白衣で診療している)

それではこのあたりで次回に続く。次回はお待ちかね
(えっ?誰も待ってないって?)、3.問診編だ。

最後まで読んでくれて、本当に有難う。賛否両論(今回は有りそうかな?)、
ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)

デワマタ。