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     歌う医学博士・Hideが行く
                        */

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  号外17. 拝啓・院長学実践研究会様
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こんばんは。Hideです。


まずは前回のアンケートにご協力下さった方々、どうも有り難う。


さて僕は、以前言った通り、「「院長、がんばって!!」スタッフ15人からの院長学」と
いうメルマを読んでいるのだが、このメルマの9月29日号に、素晴らしい事が
書いてあった。早速ファンメールを送ったのだが、何故か到着しなかった。
そこでプリントアウトして、FAXで送ろうとしたがこれも着かなかった。従って、
そのメルマのアンケートにその件書いたのだが、未だに返事がない。もったいないので、
ここで公開する。


まずは、そのメルマの当該部分から(以下引用)。

------------weekly雑感-------------------------------------------------
●私、怒ってます。

先日の日経新聞に来年の診療報酬2〜5%のマイナス改訂方針が、発表されて
いました。

これは、院長さんなど医療関係者以外の読者(あまりいないと思いますが・・
・・)の方に聞いて欲しいのです。

診療報酬が下がれば、自己負担分が減って、自分から直接出ていく医療費が少
なくなって、良いように思うかもしれません。

しかし、今の医療界の現実は、診療科にもよりますが、病院は1日100人以
上、クリニックなら50〜70人は患者さんが、来なければ、安定した経営が
出来ません。
スタッフに十分な報酬を払い、再生産のための資金を用意し、患者さんに良い
環境での診療を提供できないのです。

経営が楽ではないので、余裕のあるスタッフ数の確保さえ、ままならない状況
で、皆、必死に診療しています。

9時〜18時までの診療で、1時間30分の休憩を取ると、7時間30分の診療
時間となります。
50人患者さんがいたとして、1時間あたり、6.7人で、1人あたり8.9分
です。100人なら4.5分です。診断と処置を入れた時間です。

だから大病院では3時間待ちの3分診療になってしまうのです。
それだけの患者さんを診ないと、経営が成り立たない診療単価なのです。

大学病院などでは、医師の睡眠不足は、二日酔いレベル状態までいっていると
言う研究報告もあります。

日本の医療費は30兆円、これを出し渋って、削減し、医師・看護師・介護士
にしわ寄せをしても、あまり使われない施設や、誰も通らない道路などの建設
に60兆円以上使う政府の神経が分かりません。

国民の健康より、業界団体の方が大事のようです。
金融機関には200兆円使いました。

医師はお金持ちだし、どんな業界でも必死の努力はしていると言われるかも知
れませんが、診療報酬は国にコントロールされています。

良い医療を受けるためなら、全顎自費で最新先端医療を受けられる人は、何人
いるでしょうか?

歯科なら1日30人以上でないと、安定し余裕のある経営ができません。
しかし、1人の患者さん当たり3分診療という訳にはいきません。

人数を稼ごうとすると、昼ごはんの時間を削り、夜を延長して時間を作る以外に
ないのです。代診のDrを入れたり、自費率を上げるという方法はありますが。

医療に携わる人々に余裕がなければ、良い診療はできません。

最近、医療過誤とスーパードクターのテレビ番組が多いです。
医師や看護師の資質の問題がよく言われます。
確かに、そのことはあります。
しかし、それ以上に、医療者の労働環境の悪化があるのです。
診療科にもよりますが、よく言われる、産婦人科・小児科・脳外科などは、医師
が足りません。
 
すると、フルタイム勤務となり、無理がでてきます。
普通の会社で、夜勤をやり、翌日そのまま通常勤務につくことが、よくあること
は、けっしてないと思います。

一部には、儲かっているDrもいます、しかし、歯科などは、勤務医の場合、完
全歩合制も多く、開業しても普通の会社員より少ない収入しかない先生もいます。

歯科・医科とも開業しても倒産してしまうところもあります。
アルバイト勤務をしないと食えない先生もいます。
余裕があり、一人一人に、じっくりと時間の取れる環境をDrには、あげたいし、
そんなDrにじっくりと診てもらいたいと思うのは私だけでしょうか?
国民の医療を国がどう考えているかという問題なんです。

無駄な公共工事など全ての無駄をカットしたあとで、どうにもならなくなった
後で、仕方なくカットすべき問題なのです。
ここら辺を受療者としてよく考えてみて下さい。

私は、診療報酬減額には、反対です。

●スーパードクター・医療コーディネーター・病院ナビゲーションについて

心臓血管外科や脳外科などスーパードクターのTV番組が多くなりました。
確かに、すごいと思います。

しかし、一体どれだけの患者さんが、本当にそのDrでなければならないの
でしょうか?
TVを見て、そのDrのいる病院が大混雑した場合、本当にそのDrを必要
としている人が手遅れになる可能性もあります。

そうでなくても病院の3時間待ち3分診療は、地元のクリニックで済む患者
さんが、安心感を求めて、病院に行くことも、その一因です。

風邪ならクリニックで十分です。まず、クリニックに行き、それで治療できな
い患者さんが病院に行くのが本来の道筋ですが、日本はフリーアクセスのため、
いきなり病院に行けるのです。

患者さんは、腕の良いDrを求めます。しかし、本来、その前にクリニックと
病院、地域の中核病院などの役割の違いをまず、認識しなくてはならないので
す。

そうでなければ、日本にクリニックは1軒もいらない、大病院さえあればよい
ということになってしまいます。

身近なかかりつけ医は近所のクリニックのDr、大規模検査や手術・入院が必
要な場合は、病院というルールをまず、理解して下さい。

●セカンドオピニオン、医療コーディネーター、病院ナビなど

セカンドオピニオンは基本的には、反対しません。
しかし、セカンドオピニオンにしても、医療コーディネーターにしても、それ
は基本的には、あなたが今現在かかっているDrが信用できませんと言ってい
ることだということを分かって下さい。

患者さんが納得・安心できる説明や治療ができないDrにも問題はあると思い
ます。

患者さんが、もっと、もっと良い治療があるのではないかと言う気持も分かり
ます。
分からないことや不満に答えてくれない場合は仕方ないですが、Drを変える
べき、合理的な理由のないドクターショッピングは、やめるべきです。


医療コーディネーターが活躍するというのも、患者さんに分かり易い情報発信
ができない医療機関と、どうしたらいいか分からない患者さんの間に入り、安
心感を売る商売です。

医療機関側は、この仕事が必要ない位に、情報発信と、病病連携など、取り払わ
なければならない壁が一杯ありますね。

自分達の健康を守る医療、色々な面でもっともっと良くしていきたいですね。

●日本の医療の現状に関する本
「医者にNO!と言うための55の知識」米山公啓 経済界 1,300円

「日本の医療に未来はあるか」間違いだらけの医療制度改革
                   鈴木 厚  ちくま新書 700円

「日本の医療が危ない」 川渕孝一 ちくま新書 720円

川渕教授は医療経済学の専門家で、1度、ご一緒にセミナーをやったことがあります。
(第1部が川渕先生、第2部が私の担当でした)

以上、今、3時20分で、支離滅裂になってきたので、ここらで、筆を置きます。


これらのことで、Dr,患者さんのご意見をお待ちしております。

(引用終わり)


僕のファンメールは、以下の通りだ(件名:「お久しぶりです。」。以下引用)。

ところで今回のお話、とても勉強になりました。また共感致しました。
同時に、政府への怒りが湧き起こって来ました。

> ●私、怒ってます。
全くですね。

> 先日の日経新聞に来年の診療報酬2〜5%のマイナス改訂方針が、発表されて
> いました。
またしょうこりもなく、持ち出して来たんですね。おと年ポシャッた事を。
やはり小泉首相に、正義の鉄槌を下さねばなりませんね。

> しかし、今の医療界の現実は、診療科にもよりますが、病院は1日100人以
> 上、クリニックなら50〜70人は患者さんが、来なければ、安定した経営が
> 出来ません。
一日30人前後の弱小クリニックとしては、うらやましい限りです(笑)。

> スタッフに十分な報酬を払い、再生産のための資金を用意し、患者さんに良い
> 環境での診療を提供できないのです。
全くその通りですね。

> だから大病院では3時間待ちの3分診療になってしまうのです。
> それだけの患者さんを診ないと、経営が成り立たない診療単価なのです。
私もそう思います。

> 日本の医療費は30兆円、これを出し渋って、削減し、医師・看護師・介護士
> にしわ寄せをしても、あまり使われない施設や、誰も通らない道路などの建設
> に60兆円以上使う政府の神経が分かりません。
そうですね。鈴木先生が指摘されている通りですね。

> 医師はお金持ちだし、どんな業界でも必死の努力はしていると言われるかも知
> れませんが、診療報酬は国にコントロールされています。
そうですね。その一方で、薬屋さんとか器具屋さんとかは自由主義経済なんですね。
薬屋さんとか優遇されてますから、潰れたためしがないって言いますよね
(あのミドリ十字でさえ、合併で済んだとか)。

> 良い医療を受けるためなら、全顎自費で最新先端医療を受けられる人は、何人
> いるでしょうか?
かなり少ないでしょうね。

> 医療に携わる人々に余裕がなければ、良い診療はできません。
全くその通りです。

> しかし、それ以上に、医療者の労働環境の悪化があるのです。
そうですね。それも鈴木先生が指摘されてましたね。

> 普通の会社で、夜勤をやり、翌日そのまま通常勤務につくことが、よくあること
> は、けっしてないと思います。
そうですね。まあそれが当たり前だと洗脳された、政府にとってはこの上なく
有り難い、愚民医者もいるようですけど。

> 余裕があり、一人一人に、じっくりと時間の取れる環境をDrには、あげたいし、
> そんなDrにじっくりと診てもらいたいと思うのは私だけでしょうか?
いえ、僕もそうですよ。患者さんに、ちゃんとした診療をしたいと思ってます。

> 無駄な公共工事など全ての無駄をカットしたあとで、どうにもならなくなった
> 後で、仕方なくカットすべき問題なのです。
全くその通りですね。

> TVを見て、そのDrのいる病院が大混雑した場合、本当にそのDrを必要
> としている人が手遅れになる可能性もあります。
そうですね。

> そうでなくても病院の3時間待ち3分診療は、地元のクリニックで済む患者
> さんが、安心感を求めて、病院に行くことも、その一因です。
それも、全くその通りだと思います。

> 患者さんは、腕の良いDrを求めます。しかし、本来、その前にクリニックと
> 病院、地域の中核病院などの役割の違いをまず、認識しなくてはならないので
> す。
病院とクリニックが、同じ次元で患者さんを取り合ってる国なんて、
先進国では日本だけでしょうね。

> しかし、セカンドオピニオンにしても、医療コーディネーターにしても、それ
> は基本的には、あなたが今現在かかっているDrが信用できませんと言ってい
> ることだということを分かって下さい。
その通りですね。

> 分からないことや不満に答えてくれない場合は仕方ないですが、Drを変える
> べき、合理的な理由のないドクターショッピングは、やめるべきです。
それも、全くおっしゃる通りです。

> 医療機関側は、この仕事が必要ない位に、情報発信と、病病連携など、取り払わ
> なければならない壁が一杯ありますね。
確かに。耳が痛いです。

> 「日本の医療に未来はあるか」間違いだらけの医療制度改革
>                    鈴木 厚  ちくま新書 700円
これは良書ですね。僕もメルマで、推薦してます。よろしければ、
「日本の医療に未来あれ!」を、もしまだならご高覧下さい。

それではこれからも、どうか頑張って下さい。

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Hide

(引用終わり)



次回こそは、尻切れトンボ達を片付けて行きたいが、いつになる事やら...(苦笑)。



デハマタ。