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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.39. ボサノヴァの女神、ジョイス(ボサノヴァ講座中級編・その3)
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こんにちは。Hideです。


まずは前回のアンケートにご協力下さった方々、どうも有り難う。


次に例によって病院の状況だが、一昨日とかは夜診中に回診がずれ込むような異常事態は、
何とか回避出来た。どうやらかなり本格的に、正常な病院が戻って来たようである。
うれしい事だ。


さて昨日、いわゆる「ネズミ捕り」に捕まってしまった。

僕の病院は東大阪の某市にあるが、そこから近畿道で南大阪にある家に帰る途中、
後ろで覆面パトが赤ランプを点滅させていたので、発声練習の時している耳栓を取ると
(発声練習は、通勤の車でしている)、「路肩に止まれ」と言っていたので、
観念して止めた。

警官二人は、なかなか礼儀正しかった。多分クレイマーがうるさいのだろう。
彼らは憎まれ役だから。

彼らは「114キロで34キロオーバーだが、もっと出ていたと思う。もう6キロ出てたら、
40キロオーバーで一発免停だったところだ」と、「これでも手心を加えているんだぞ、
有り難く思え」と言外に匂わせていた。

結局3点減点と、2万5千円の罰金だった。まあ彼らは官僚だから悪法を忠実に
守っているだけだし、サラリーマンとして上から課せられたノルマをその通りに
果たしているだけなのだから、争うのは時間とエネルギーの無駄だと思ったので、
また払えない額でもないし、「ハイ、ハイ」と言う事を聞いておいた。

しかし全く哀しい仕事である。やっていて人間性がゆがんで来ないのかと、
他人事ながら心配だ。

こういう哀しい仕事をさせる国家というのは、一体何なのだろう?


さていやな話はこのくらいにして一か月ぶりに、一部の読者の皆様はお待ちかねの、
ボサノヴァ講座を再開だ。

約束通り、いよいよこの人の話ができるのが、僕は嬉しくてしょうがない。
この人の名はこうだ。

ジョイス。

この人について一言で言うなら、やはり「ボサノヴァの女神」だろう。
音楽が人の形をとって、この世に現れたような人だ。

彼女は素晴らしい曲を書き、そしてその歌たちを、頬を撫でるそよ風のような、
実に優しくかつ落ち着いた声と、自由闊達な節回しで歌う。

そのフェイクやスキャットの奔放さは、まるで矢野顕子のようで、彼女の人柄を偲ばせる。
きっと優しくて洒落っ気があり、また一つ所にとらわれない、自由な物の考え方を
する人なのだろう。

しかし優れた感性には、それを支える知性が必要だ。この点も彼女は十二分に
クリアーしている。何しろ彼女は英語やフランス語など数ヶ国語を操る才女で、
もと新聞記者だったのだから。

ところが神様は彼女に三物だけでなく、四物も五物も与えた。と言うのも彼女は
ギターの名手でもあり、また僕ら男性には嬉しい事に、まれに見る美女でも
あるのだから。 "Joyce Tom Jobim...Os Anos 60"というアルバムのジャケ写とかは、
モデルとしても通用するのではないかと思うくらいだ(もっとも最近は寄る年波には
勝てず、さすがにトウがたっては来ているが)。

僕はまるでストーカーのように、彼女のアルバムは見つけ次第全て買っている。
すでに僕の手元には、23枚のアルバムがある(もちろん彼女のリーダーアルバムでは
ないのも混じってはいるが)。

とりあえず、これを聴いてみて欲しい。

フェミニーナそして光と水(東芝EMI)

これは「フェミニーナ」と「光と水」という、80年代に出たアルバムの2in1盤だ。
それで2800円(税込み)なのだから、かなりお買い得だ。

お勧めは、やはり「フェミニーナ」と「サンバ・ジ・ガーゴ」だろう。
前者について言えば、これほどノリのいいボサ・サンバ・ナンバーはなかなか無い
(ちなみに僕は昔ベースも弾いていたので、ベースラインのカッコ良さについ耳が行く)。
後者ではアコーディオン風の音色のシンセ(?)とのユニゾンで、アル・ジャロウばりの
16分音符バリバリの、超絶スキャットが聴ける。あと「ムッシュ・ビノー」とかもいい感じだ。

それとボサノヴァ史的には、「或る女」に触れないわけには行かないだろう。
ライナーノーツから引用しておく(以下引用)。

エリス・レジーナが女性としての生き方、心情に共感して歌い上げて大ヒットさせた曲。
(後略)


次回以降も、彼女の素晴らしいアルバムたちを紹介して行くので、乞うご期待。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

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(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
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の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。