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      歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.2 人の命は紙より軽い
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こんにちわ。Hideです。

今回は「ライヴが迫るが時間が無い」話の予定だったが、どうしてもこの事を書いて
おきたいので、先に回させてもらう。悪しからず(愚痴話が2回連続もあまりぱっと
しないので)。

この間テレビを見ていると、パレスチナの7歳の少年が出て来て、「僕は自爆テロを
したい」と言う。レポーターの「なぜ?」に答えて、彼はこう言った。
「イスラエル人をたくさん殺したいから」と、笑みさえ浮かべながら。

普通人を殺すというのは──しかも自分の命を犠牲にして──、
よほど相手への怒りや憎しみに、我を忘れていないと出来ないように思うのが、
僕ら普通の日本人の常識だろうが、全然そんな風でもなく、
ごく平然と彼は言い切った。

あの土地では、人の命なんて紙くずほどの値打ちしか無いのだろうか?

同じ番組でこんな話もやっていた。パレスチナの少年たちは──全てではなかろうが
──、自爆テロで死んだ青年や、イスラエルに殺された武装組織のリーダーの写真を
持ち歩いているようだ。まるで他の国の少年たちが、スポーツのスタープレーヤーの
ブロマイドを持ち歩くように。

他の国の少年たちが、大観衆の前でホームランをかっ飛ばしたりシュートを決めたり
する夢を見ている一方で、パレスチナの少年に見るのが許されている夢が、
もし爆弾を抱いて建物に突入する事だけなのなら、それは余りにも哀しすぎるような
気がする。

この番組を見て、僕は涙が止まらなかった。今もこれを書きながら、
目頭が熱くなって来るのを感じる。

さて話は変わるが、僕の曲に「一緒に行こう」というのが有る。こんな歌詞だ
(セルフライナーノーツは、「Hide詞集」の「1」を乞うご高覧)。


遠くの国で 近くの国で
血で血を洗う 争いが続いてる
平和すぎるね この国にいると
大切なものを 見失いそうになる

一緒に行こう どこへ行けばいいか
分からないけれども ここと違うどこかへ

骨の形が 外から見えそうな
子供が空ろな 目で坐りこんでいる
こんな遠くで 僕に出来る事は
ポケットのコインを 送ることだけなのさ

一緒に行こう どこへ行けばいいか
分からないけれども ここと違うどこかへ

痛む胸は 僕も君も
きっと同じ そう思うから

愛だけじゃ地球を 救えないけれども
それでも人のこと 信じていきたい
優しくなりたい

一緒に行こう...


この曲は6月22日、大阪は松原市のLiestickでのライヴで歌う予定だ
(詳細は僕のHP

http://heliotrope.s9.xrea.com/

をご覧頂きたい。「ライヴ速報」のページだ)。あの7歳の少年が、そして
他のパレスチナの少年達が、人を殺すよりもっとましな夢を見れる日がいつか来る
事を祈って、心を込めて歌いたい。

最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。

それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、ご興味がお有りの方は、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。ではまた(出来れば
毎週土曜日発行にしたいのだが、いつまで続くことやら...)。