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     歌う医学博士・Hideが行く
                        */

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  Vol.23. 素晴らしきカルメン歌い、アグネス・バルツア
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こんにちは。Hideです。

まずはアンケートにご協力頂いた方、どうも有り難う。励みになります。

さてとしさんと、もうお一人読者の方(N.N. さんとしておこう)からお便りが来た。
どうも有り難う。早速紹介させて頂こう。


としさんのお便りは以下の通りだ。


Subject: お久しぶりです としです。

> お久しぶりです。
> としです。
>
> Hideさんは、ボサノヴァにお詳しいのですね。
>
> 僕が最初にボサノヴァを聞いたのは、中学生くらいだったと思います。
> アントニオ・カルロス・ジョビンのイパネマの娘でした。
> ボサノヴァの独特なリズムは、とても印象に残ったのを覚えています。
> あのころのイージーリスニング集には
> 必ずと言っていい程、イパネマの娘が入っていた記憶があります。
>
> その後は特に意識して聞くという事はありませんでしたが、
> Hideさんのメルマガを見て、「ボサノヴァは癒しの音楽」なるほどと思いました。
>
> 最近では、小野リサさんくらいしか知りませんでした。
> テレビに出演していたのを見た事がありますが、
> あのハスキーで柔らかい優しい声はボサノヴァにぴったりですね。
> 今の僕にとってのボサノヴァのイメージは、小野リサさんの曲でしょうか。
>
> ボサノヴァについてはこの程度の知識しかありません。
> 超初心者ですね。
>
> これからのボサノヴァ特集、楽しみに読ませて頂きます。
>
> それでは失礼致します。
>
>
> ----------------------------
> とし


僕の答えは以下の通りだ。


まずは早速のお便り有難うございます。

> Hideさんは、ボサノヴァにお詳しいのですね。
まあいわゆる「オタク」ですけどね。ただ行く所に行くと、もっともっと
凄い人達はいますけど(「行く所」のことも、またメルマのネタにしたいと思います)。

> 僕が最初にボサノヴァを聞いたのは、中学生くらいだったと思います。
僕もその頃です。当時僕はピアノを練習していましたが、「キーボード・マガジン」の
アレンジ講座みたいなので「ウエイブ」が取り上げられてました。あれもジョビンの
曲ですね。

> ボサノヴァの独特なリズムは、とても印象に残ったのを覚えています。
僕の中のリズムは、ボサのリズムとシンクロしているのではないかと思う事が
あります。

> 最近では、小野リサさんくらいしか知りませんでした。
僕が本格的にボサの道に入った(?)のは、学生の頃だったか大学を出た頃
だったか、とにかくそのへんです。リサさんのファーストアルバムを聴いて、
そこから源流へさかのぼって行きました。

> テレビに出演していたのを見た事がありますが、
> あのハスキーで柔らかい優しい声はボサノヴァにぴったりですね。
ジョビンもリサさんの声はすごく好きだったようです。

> ボサノヴァについてはこの程度の知識しかありません。
十分だと思いますよ。

> これからのボサノヴァ特集、楽しみに読ませて頂きます。
有難うございます。いい物を書いて行きたいと思いますので、応援して下さい。


次にN.N.さんのだ。紹介することが有る事は以前にも言ったのでさせて頂く。悪しからず
ご了承下さい。

Subject: 私もぴよさんのメルマガ紹介で購読者になりました。


> Hide 様
>
>  初めまして。
>
>  No.22を読んで、丁寧に返信なさっているんだなぁ〜と感心し、
> 私もメールを送信する気になりました。
>
>  私がHideさんのメルマガを購読するようになったのは、
> 「良い医者・悪い医者を見分ける法」というような内容のメルマガを
> ぴよさんが“Hideさんのメルマガから引用させていただいた”と
> 記載していたのを見て、「これは我々一般市民にも即行役立つな」
> と思い、更にHideさんとはどんなメルマガを発行しているのか
> 興味を持ったからです。
>
>  以来、購読を続けています。
>
>  私は、実は勤務医の娘(父は皮膚科医師)なのですが、
> 「先生」と呼ばれてふんぞり返っていたり、
> こちら(患者)の聞きたい事とは関係なく自分の持論を押しつけるような
> ムカツク医者に何度も出会っているので、
> Hideさんのように歯に衣着せぬ=同業者をキッパリ裁ける?!
> 意見を言う方は、痛快で好きです。
>
>  そういう誠意ない医者のせいで、病状が悪化させられた経験も
> ある(というか未だに引きずっているんです;鬱病を。)ので、
> 「患者がいるから医者は食えるんだろ?! 一体、何様のつもりだ!
>  専門知識はわからんが、患者に医者を選ぶ権利があるんだ!
>  人格的に合わなかったり、素人目でもオカシイと感じる医者の言う事を
>  何もかも鵜呑みにする事はないんだ!」
> という事を学び、今は別の医院に通院し、
> たまたま良い院長と巡り会えたから良かったのですが…。
> (もっと早く乗り換えていれば、また違った人生が開けていたかも…。)
>
>  私の考え、間違ってますか?
> モチロン、全てを医者のせいにしている訳ではありません。
> 今回は、医者に対してムカついた事にしぼって書かせていただきました。
> いわゆる“グチ”ですかね;ははは(^^;
>
>  聞いていただけて、ちょっとだけ、スッキリしました。
> お忙しい中、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


僕の答えは以下の通りだ。


>  初めまして。
初めまして。

>  No.22を読んで、丁寧に返信なさっているんだなぁ〜と感心し、
> 私もメールを送信する気になりました。
おほめ有難うございます。

>  私がHideさんのメルマガを購読するようになったのは、
> 「これは我々一般市民にも即行役立つな」
> と思い、更にHideさんとはどんなメルマガを発行しているのか
> 興味を持ったからです。
そうおっしゃって頂けるのが一番うれしいです。

>  以来、購読を続けています。
有難うございます。

> ムカツク医者に何度も出会っているので、
> Hideさんのように歯に衣着せぬ=同業者をキッパリ裁ける?!
> 意見を言う方は、痛快で好きです。
まあ僕も実際診察室で会ってみると、あなたのおっしゃる「ムカツク医者」
かも知れませんけどね。プライドだけは一人前ですから。

ただ「我敵艦ニ突入ス」という本が有ります(平義克己著、扶桑社)。この本では
日本からアメリカに渡って弁護士になった人が、ふとしたきっかけから、
アメリカの駆逐艦に特攻したパイロットの身元探しを始めるのですが、
著者の方が林さんと言う元特攻隊長の方と一緒に仕事している時に、
とても横柄でかつ怠慢な図書館職員と出会います。その後林さんがこう
言うのです。

「ああいう、自分の仕事に責任とプライドを持たない人達が今の日本を
だめにしているのですよ」と。

これは全くその通りだと僕も思います。

ですからプライドは、日本をダメにしないための十分条件では無くても、
必要条件では有ると思うのですがね(と言い訳)。

>  そういう誠意ない医者のせいで、病状が悪化させられた経験も
> ある(というか未だに引きずっているんです;鬱病を。)ので、
それはお気の毒でしたね。

> 「患者がいるから医者は食えるんだろ?! 一体、何様のつもりだ!
お言葉を返すようですが、そう言ってしまうと「医者がいるから患者は
元気で長生きできるんだろ?!」という話にもなってしまうのでは
ないでしょうか。

僕は医者と患者さんの関係は、完全なギブアンドテークであり、どちらが
偉いという事は無いと思ってます。ですからどちらも、卑屈になる必要は
ないと思います(もちろんどちらも尊大になる必要も、全くありませんし)。

>  専門知識はわからんが、患者に医者を選ぶ権利があるんだ!
それはその通りですね。医者も患者さんを選べたらいいのにと思う
こともありますけど。しかし法律で、それはしてはいけない事になってるんですね。
全く辛い事が有ります。

>  人格的に合わなかったり、素人目でもオカシイと感じる医者の言う事を
>  何もかも鵜呑みにする事はないんだ!」
それもその通りです。患者さんは信頼できる医者を選べばいいと思ってます。

> という事を学び、今は別の医院に通院し、
> たまたま良い院長と巡り会えたから良かったのですが…。
それはよかったですね。

>  私の考え、間違ってますか?
上に書いた通り、大体は正しいと思いますよ。

> いわゆる“グチ”ですかね;ははは(^^;
グチで大いに結構ですよ。またお便り下さい。

>  聞いていただけて、ちょっとだけ、スッキリしました。
それはよかったです。

> お忙しい中、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
どういたしまして。


さて本題。今回は予定を変更して、10月26日に見たオペラの事を話す。

僕はやはりオペラというのは、人間の声を使った表現の中で、最高の物の少なくとも
一つだと思うのだ。ジャンルは違っても同じ歌をやる者として、電気を通さない生の、
磨き抜かれた声を聴くのは大切な事だろう。

僕の理論の師である(と言っても直接教わった事は無いが)、福島英と言うヴォイス
トレーナーもこう言っている。

「いい声を聴くのも、トレーニングのうちだ。」と。

そういうわけで、外国のオペラハウスの引越し公演が有れば、出来るだけ出かける事に
している(本当は日本の歌劇団も聴きに行った方が、オペラ界の発展のためには
いいのだろうが、そこまで手が回らない。ゴメンナサイ)。

さて26日のは、ハンガリー国立歌劇場の「カルメン」だった(フェステバルホールにて)。

まず「カルメン」とはどういう話なのか、簡単に説明しておこう。

スペインの竜騎兵隊の伍長ドン・ホセは、タバコ工場の工員をしていたジプシーの
極道女で、男たちのあこがれの的カルメンに誘惑される(第一幕)。彼は誘惑に負け、
軍を飛び出して密輸業者の一味に加わる(第二幕)。しかしかつての婚約者ミカエラから、
母の危篤を聞かされたホセは、母の元へと後ろ髪を引かれる思いで戻る(第三幕)。
心変わりして闘牛士エスカミーリオの元へ行ってしまったカルメンにホセは復縁(?)を
迫るが、カルメンの愛はもう自分には戻らず、逆上したホセはカルメンを刺し殺して、
悲嘆のうちに幕となる(第四幕)。

これから感想を述べていくが、僕はオペラについてはズブの素人なので、そのつもりで
読んで欲しい。「それは違う!」というところがあれば、ご遠慮なく下記までご指摘
頂きたい。

hide@helio-trope.com

「あのオペラは見たけど、俺はこう思う」というのも大歓迎だ。

第一幕。オープニングのバレエはなかなか独創的で楽しめた。あの余りにも有名な序曲に
乗って踊られた(「たけしのTVタックル」のオープニングに使われているあの曲である)。

そう言えば序曲はテンポが速いような気がしたが、バレリーナ側からの要請だろうか。

ところで今回のカルメン役は、アグネス・バルツアというギリシャ人だ。何でも
この人は、「当代随一のカルメン歌い」らしい。

やはりスターというのは華があるものだ。またこの人の声には「説得力」とでも呼ぶべき
物が凄く有った。歌うたいとしては、是非ともこう有りたいものだ。

(話はそれるが、以前プレスリーの "Can't Help Falling In Love" (邦題は「好きに
ならずにいられない」)をやった時、彼の歌を改めて聴くと、同じ事を感じて凄くいいなと
思った)

ちなみに3年前にも僕はアグネスが、ルーマニア国立歌劇場とカルメンをやったときも
観に行ったが、トップの座にいる人なのに、今も微妙に振り付け等を変えて工夫して
いるのには好感を持った(ただし第二幕の踊りは前回の方が良いように思ったが)

第二幕。ホセ役のマリオ・マラニーニと言うイタリア人は、最初は大したことは無いと
思ったのだがなかなかどうして、どんどん声の調子が出て来て素晴らしかった(これは
第三幕のミカエラ役の、トウンデ・フランコーと言う人についても言える。やはり一人
飛びぬけた人がいると、その人がみんなのいい所を引き出していくのだろう)。

第三幕。荒野のシーンのはずが、第一および二幕と同じセットなのは明らかな手抜きで、
はっきり言って失望した。せっかく頑張っている歌手がかわいそうだ。

第四幕。アグネスの神通力が少し薄れて来たような気がした。やはりかなりの高齢の
はずで、容色の衰えは隠せない。

しかしカーテンコールでは、やはり華を再び感じた。これも才能なのだろう。

そう言えばマリア・カラスについてこんな事を言った人がいた。

「彼女より上手い歌手はいたが、彼女くらい歌で演技できる人はいなかった」と。


次回こそはボサノヴァ初級編を始めたい。乞うご期待。


最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://heliotrope.s9.xrea.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デワマタ。