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     歌う医学博士・Hideが行く
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  Vol.117. 敗軍の将、兵を語る & M病院休筆宣言
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こんにちは。Hideです。


前々号については、僕も偉そうには言ったが、自分ではちゃんと読んでいなかった。
すみません。その後プリントアウトし(45ページあった!)、読んで磨くべき所は
磨いておいたので、もし宜しければ、

http://www.helio-trope.com/merumasoushuketteimaehurinuki8htm.htm

を乞うご高覧。


さて、今は自宅療養中だが、古いカルテの処分をしている。

「医師法」と言う医者の法律があり、カルテは5年間は保存せねば
ならない事になっている。

逆に言えば、それ以上古いやつは要らない場所を取るので、さっさと処分せねば
ならないからだ。クリニックは、売ることになったから。という事は、いつ売れて
次の先生が入ってこられるか分からないから。

そういうわけで、ここのところ朝から夕方まで、カルテのホッチキスをホッチ取りで
取っては(そうしないとシュレッダーが傷むだろうし。大丈夫とおっしゃる方は
是非とも教えて頂きたい)、五枚ずつくらいにまとめて(一応「コピー用紙7枚が限界」と
書いてはいるが)、シュレッダーにかけるという、高校生のバイトの子でも出来そうな
仕事を、時給一万円の男がやっている。


しかし、何故うちのクリニックは潰れてしまったのだろう?(くどいようですけど、
僕の友人・知人の皆さん、あくまで表向きは、「休院」にしといて下さいね)

患者さんが減ったからだ。

何故減ったのだろう。

僕に、魅力がなかったからだ。

結局ある人が言ったが、これからの開業医は、患者さんの心も癒して差し上げないと
いけないのだろう。僕には、それが出来なかったからだ。

僕は前にも言ったとおり、医者の仕事と言うのは、患者さんに元気で長生きなさって
頂く事だと思っている。

具体的には、患者さんの病気を過不足なく見つけ出し、治せるものは治し、他の科や病院の
医者なら治せるものは他の科や病院に紹介し、直せなくてもコントロール(素人さんの
言葉では、「なだめすかす」)出来るものはコントロールし、どれも出来ないものは、
せめて苦しみを和らげて(可能なら取り去って)差し上げる事だと思っている。

それは親父が去年の6月に引退を余儀なくされてから7月の終わりまで、この一年少しの間
ずっとやって来たつもりだ。いやもっと正確には、10年前にうちのクリニックで、
週に一回の午前診を始めてから、ずっとやって来たつもりだ。

しかし、それでも経営は成り立たなかった。

もしかしたら、不必要な薬や注射や点滴や検査も、経営を成り立たせるためには
必要なのかも知れない(僕はしなかったが)。

経営が成り立たないだけでなく、スタッフも辞めて行って、人の補充と教育が大変だった
(しかも教育期間には、二重給料を払わねばならない)。

やはり僕には、人を雇って使う能力もなかったのだろう。そういう意味でも、開業医失格だ。

やはり僕は、生涯一勤務医(病院等の雇われ医者)として生きて行く。幸い、M病院の
面接も受かったことだし。主治医の先生の許可が下りれば、多分23日からまずは週4日で
働く事になるだろう。

ただ僕は、もう病院ジプシー生活はいやだ。

僕は同じ病院で、2年9ヶ月以上常勤をした事がない。

こんなことでは、患者さんも困るだろう。今回クリニックを閉じる時も、いろいろな
患者さんから、「最後まで診て頂けると思っておりましたのに...」とおっしゃられて、
非常に辛かった。

だからM病院については、今後悪口は一切書かない事にする。その代わり公平に、
いい事も書かない。ここに書いている事がばれて、クビにならないために。

ただM病院を仮に辞めることがあれば、その時こそ思いっきり書かせて頂こう。

もちろん医療に限らず、他の個人・団体様については、今後もいろいろ物申させて
頂くので、「毒舌タレント」としての僕がお好きな方、楽しみにお待ち下さい。



最後まで読んでくれて、本当に有難う。ご意見、ご感想、ご質問等は

hide@helio-trope.com

までどうぞ。「こんな話が聞きたい」というリクエストも大歓迎だ。
(ここで紹介させてもらう事が有るので、それを希望されない方は
乞うご明記)


それとこのメルマのバックナンバーが、僕のHPで読めるので、

http://www.helio-trope.com/

の、「メールマガジンバックナンバー」を乞うご高覧。デハマタ。